闇の底に...Cuckoo

 

 

No gains with out pains 2 - 2003年01月07日(火)

きっと最初に誰か言い出した
あまりに使い古された慰めの言葉
必ずいい事はあるから
苦しみを乗り越えればそこには幸せが
幸せが・・。


朝の7時をほんの少し過ぎたとき
彼の携帯が震えだす
彼のアラームで目が覚めた
同時に目を覚まして彼はアラームを止め
そして又眠りについた。

アタシはそのまま又目が覚めて
しばらく何をするでもなくおきていた
それから2時間もの間
何をしていたか記憶は無いけど
おきていた。

アタシのアラームが9時に鳴り出した
彼を起こしてテレビを見たり
10時になってシャワーを浴び
化粧をして髪を整え
抱きしめるわけでも抱きしめられる訳でもなく
出かけの準備をした
この時間が大嫌いだった
部屋を出たらあたし達は二人じゃなくなる
二人だけじゃなくなるんだ。

明るい街の中でアタシ達は
知らない街を歩き回る
中華獅子舞を見たりして
そんな新年を味わってみた
そんな街の小さなショップを見つける
キラキラしたアクセサリーのショップ
沢山のカップル達が幸せそうに腕を組んで
お揃いのリングを選んでいる
その店に入って眺める
アクセサリー好きのあたしは嬉しくって
でもその店は『ペア』物を中心に扱っていて
『欲しい』とは言えなかった。
それでも
二人で見つけた店
そんな気分がとても嬉しくって
今でも心に残っている。

また移動してフラフラ歩き回って
その間彼はいったい
何度
『眠い』
と言っただろう
アタシは
不安で哀しくて
そして言った
『帰ろう』 と。

彼の睡眠時間はすごい
この一年ですごく眠るようになった
それは分っていたけど
眠いという言葉が
つまらない 帰りたい
に聞こえた
アタシにはそう聞こえるんだ
駅で入った喫茶店
新年3日目の日
大混雑をしていた
その中で彼と話しながら
彼は何度も時計を見た。

彼の父親はずっと入院をしていた
年末から家に帰ってきていた
3日の日に病院に戻る予定だったらしい
だからだろう
家が心配だったんだろう
アタシは自分に言い聞かせる

午後三時
喫茶店を出て彼を新幹線の乗り場に送る
入場券を手に
アタシは新幹線のドアの前に立った
少し眠そうな彼は
そのまま手を振って
帰っていった。


電車の出発の合図が哀しくて
それでも笑っている自分が不思議だった
走り去る新幹線を背に
アタシは持っていたウオークマンを取り出した
耳に当てボリュームを最大にする
もう何も聞こえない
ただ前を見て歩いた
周りなんて見えない 見ない
全ての音を遮断して
全ての景色を無視して
アタシは心を空にした
淋しい帰宅なんてしたくない
淋しくなんてない
そんなの嘘っぱちだけど
その事に気がつかない振りをすればいい


冷たい雨が降っていた
いつもの駅にたどり着いたら
冷たく凍える雨が降っていた
空は黒く
まるで天井があるかのような重い雲
彼の住む町でも雨が降っているだろうか
同じように凍る空気が流れているのだろうか
そんなコトは考えない
冷たい雨を浴びながら
アタシは一人家に帰る
残った物は
彼がくれた小さなキーホルダー
車のキーにつけてみた
ほら
淋しくなんて無い。



No gains with out pains
苦しみを乗り越えれば幸せはやってくる
違うわ
アタシ知ってるの






幸せの後には孤独がやってくる。







               水鳥。


...




↑投票ボタン
もしよかったら投票お願いします。水鳥の力の元になります。

My追加
 また読んでくれますか?マイ返しはしない事にしてますが必ず読ませていただきます。

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail BBS