孤独と恐怖と小さなアザと。 - 2002年06月26日(水) 腕についたあざを眺めた 君がつけたこの印が いとおしく感じた 触れると少しチクチク痛む この痛みが永遠であればいいのに。 アタシと彼はsexをした 実は二度目だった 彼はベッドの中でアタシの名前を呼ばない アタシを通して誰を見ているのかわからない アタシは体を合わせるたび 喜びよりも悲しみが襲う なぜなんだろう 分からない振りをしてみる。 彼はいくことが無い アタシじゃダメなんだろうか そんな悲しみにいつも襲われる 聞いてはみたけど違うといった なんの慰めにもならなかった。 不器用に動く彼を見ると いとしさが襲う 沢山のkissを求めては 必ず返してくれるくせに 彼の目に映るのが自分じゃない気がしてしょうがない アタシ達は後何度その場限りの恋人を演じるだろう。 疲れ果てて二人してベッドに横になる 彼はこう言った 『本音は男は誰とでもできるんだよな』 わかっているの だから言わないで 涙が出そうで手が震える 『いや 別に誰とでもって訳じゃないって』 そんないい訳今更遅い 本当は心まで凍りついたけど 笑って背を向けた 力いっぱい抱きしめてくれたその腕は 罪悪感のかたまりなんだろうか 分かっていてなぜあたしは求めてしまうのだろう ほんの少しでもいとしいと思ってくれる? 口を伝って言葉に出しそうで押さえる これ以上傷つきたくないの 帰りの時間まで後わずか シャワーを浴びに行った 何も無い浴槽の中座り込む だめだ 立ち上がらなきゃ 服を着替えて化粧をして コーヒーを飲む彼を背に鏡に向かう 一瞬座り込む ため息をついてふと見上げたら彼がいた アタシの肩に手を置いて 優しくどうした?って聞いた なんでもない そう笑って立ち上がる ベッドでテレビを見ていた彼を横目に ソファーに座ってタバコをくわえた 笑った彼の顔を眺めながら膝を抱え込む 振り返った彼にアタシはいった そうだよね 誰でもいいんだよね ちょっとすねた顔をして彼は言う そんなコト言ってない 言ったじゃない ちょっとした喧嘩になりかけて 彼がアタシに近づいた 『じゃぁkissして』 アタシは言った じゃぁという接続詞が間違ってる気がした そんなコトをふと考えた。 ソファーの前の小さなテーブルをまたいで 彼が近づく 急に怖くなった バカな事を言ってしまった アタシは彼の足がテーブルに当ったと言って笑った 灰皿がソファーにおいてあるからと テーブルに置きなおした でも彼は笑わない ごめん そう言って抵抗するアタシの腕を掴んだ彼の力が すごく強くってびっくりした。 強く長いkissをした。 こうしてアタシ達は部屋を後にした 帰りの車の中はいつもどうりのアタシ達 触れるほどの距離なのに触れないその感じ 駅に着きその後はおとつい書いた 昨日ふと気がついた 腕に残るアザを。 彼が最期に付けた痛みだった そっとそのアザを撫でてみる 痛みをチクチクと感じる このまま消えなきゃいいのに 小さく呟く 彼が残したその印をいとしく感じた 彼が残したその印を哀しく眺めた キミは知らない 心が泣いている 涙は流れない 何度も何度も腕を撫でてみては 彼の顔を思い出す ひとつ哀しい記憶を 増やしてしまった。 水鳥。 ...
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