0センチの距離 - 2002年05月07日(火) 触れる手 触れる体 距離の無い距離 サヨナラを告げることは できなかった 昨日の続きです。 ホテルに入った なんだか不思議なホテル 部屋に入り二人でテレビを見ながら 牛丼を食べていた 黙って 黙々と。 違和感を感じないわけは無かった 距離を感じないわけは無かった お風呂に入った 化粧を落とすと眠くなってきた 疲れきっていた。 彼がお風呂に入っている間にウトウト その間に少しでも日記を更新しようとしていたのにな 一緒に布団に入った 静岡で一緒に寝てるし ミニオフでも隣りで寝てたし 一緒に寝ることには緊張は無い なんて大嘘 ドキドキ 寝れるわけが無いんだよ テレビを見ていた彼 1時半に何も見たいのが無いと 寝ると言い出した 特に話しをするわけでもない 静岡では延々と話してた彼もやっぱり疲れてた? 腕枕をしてもらう 何か話しただろうか なんだったろう 思い出せない 二人でまたふざけてたのは覚えてる 笑ってた 何かを言った彼をベットから落とそうと蹴りを入れたり そしてまた笑いあった 部屋を薄暗くして寝てた彼の側をそっと離れた 洗面所で腕をそっと切る このキズが治りませんようにと そう願って 静かに戻ってバンドエードをつけた そしてまたそっと布団に潜り込む 彼に触れてみた 寝てないようだった タバコを吸った 彼は吸わない タバコ味のちゅうをする? 笑って聞いてみた いやだと言われた ちょっとすねてみた キスをした 彼の苦手なタバコのにおいをさせて キスをした 懐かしく そして冷たいキス 冷たく感じるのはアタシだけなのだろうか 二人でくっついていた 笑いながら それでいて孤独を感じさせられる距離 なぜだろう ココにアナタはいるのに なぜこんなに孤独なんだろう 触れた手は優しかった 触れた手は他人の手だった 首筋にキスをした 『キスマークつけてもいい?』 そう笑って聞いてみた ただ笑った彼の首に 強くキスをした アタシの存在をココに アタシの体にキズを アナタの体に印を 忘れないでとそう願いながら 愛してなんて言わない 忘れないで 想い出して アタシを この目を 唇を 触れた体を 抱きしめてくれた体がいとおしい アタシを見つめる目が苦しい あの人の記憶に残るだろうか また忘れてしまうのだろうか 青い窓から 青い光が差す 真っ青な不思議な部屋で二人 静かに眠りについた 朝日が青いコトさえいとおしかった アタシはすぐ目を覚ます 腕枕をしてくれたその腕が なんだか頼りがいがあるようで 華奢な体はやっぱり 頼りなさそげで そんな彼がやっぱり大好きだった 持ってきたウォークマンで 大好きな曲を聴いた 彼に抱かれて聴く歌は なんだか切なく淋しかった 彼を起こしてみた ぶつぶつ文句言いながらそれでも笑って 寝かせてくれ 仕事なんだよ 今日 なんて言っていた 後少し もう少しでサヨナラなんだね シャワーを浴びて化粧をして 服に着替えて立ち上がる 別れの瞬間はどうしてこんなに辛いだろう 今までの時間を一瞬で忘れるくらい 辛くて悲しいのはなぜだろう 強くマスカラをつけて口紅を塗る 泣かない水鳥の完成だ もう淋しい顔を見せない 笑うために化粧をするんだ ホテルを出て町を歩く 駅まで5分 テクテク歩く二人 アナタのGWの記憶を 元彼女から奪えたろうか それはできない気がしている そして無理だったろう そんな事を考えて歩くアタシの足取りは だんだん重くなる 離れたくないよ まだココにいて 一晩限りの恋人同士 手を繋ぐわけでもなく 駅に急ぐ人ごみに紛れた 次いつ逢える? そんな言葉は言わない いままでも言った事も無い いつもいつも最後だと思い いつもいつも最後と覚悟する 改札口を通り過ぎあの人は 振り返りもせず電車に向かう その背を見ながら 小さく呟く だいすきよ アタシとアナタに距離はなかった それでも永遠な距離を感じた アタシの心と彼の心 触れた手を 触れた唇を 触れた足を 触れた体を 忘れたくない でも想い出にもしたくは無いんだ 言えなかった言葉を 今アナタに 愛しています。 水鳥。 ...
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