前回に続き、少しだけ批評っぽいことを書きたい。 どこの日記やサイトにも感想みたいなことしか書いてないので。
まず、スクールデイズが目指すべきは映画だった、と思う。 ゲーム性を持った映画。 だから、この作品は全編を通じて暗い雰囲気で進むが、そこからは邦画の匂いを感じる。 アニメーションの質が低いことは全く問題ではない。 人物のアクションが少ないのだから、止め絵とカット割りで演出する方が理にかなっている。 その点でスクールデイズが目指した方向は正しいと言える。 そして、僕が前回の日記で批評に耐えるかもしれない、と言ったのはそこに根拠が求められるかもしれない。
これはあくまでドラマであって疑似体験ではない、と捉えるべきだ。 よって議論すべきは「鮮血の結末」のような展開が許されるか、許されないかではない。 各所で話題になっているという展開が己の好奇心に合致するか否かを問うのではなく、そのような展開がある事を前提に、そこで見られる登場人物の関係の中に語るべき点があるかどうかを議論するべきなのだ。
スクールデイズのシナリオは、通常ならば完全に感情移入する事は出来ないようになっている。 部分的には個々のキャラクターに共感できる箇所はあるが、必ずプレイヤーとの間にズレの生じる場面が用意されているはずだ。 これはおそらく、単にユーザーに対してゴマをするような展開にしたくなかった。 あるいは異端っぽさ、過激さを演出したかっただけかと思われるが、それがキャラクターを「他者」として提供する結果となっている。 スクールデイズのキャラクターたちは、プレイヤーにとって完全に異質な他者である。 そのことが私に批評の対象となる可能性を感じさせるのだ。
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