amatelasuの日記

2005年04月09日(土) 構造で語れ。

今、僕はシナリオライターの仕事をしているのだが、そこで取引先から表現が説明的すぎるとか、語彙が少ないなどの指摘を受けてしまった。

そこの会社はテキスト単体で小説としても通用するようなシナリオをあげてくれ、と要求しているわけだが、実は僕は小説が書けないという罠。

僕はなるべく言葉で表現したくない、と個人的に頑張っている。 
言葉ではなく構造で表現したいのだ。
なるべくテキスト量を圧縮し、構造を簡潔に述べたい。
おそらく僕の文章構成法が科学論文のそれをベースにしているからだろうと思うが、神の宿らない細部を散りばめる事に快感を覚えるような小説は書けない。

つまり、核心に触れない部分のテキストは適当に状況説明だけしていればいいし、そうでなければギャグで笑わせれば良い。
プレイヤーだって、どうでもいい部分は適当に読み飛ばしている。
だから、そんな部分のテキストは同じ言葉が頻繁に続いていようが、説明的な文章の羅列であろうがかまわない。
物語の構造さえ揺らぎのないものであれば、誰が書いても面白いのだ。
と思っているので、僕には小説が書けない。

まぁ、仕事として成立させる技術を身につけないとならないので、僕は神の宿らない細部だけで構成されたどこにも意味を見出す価値のない文章を生産し続けるのだが。


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