amatelasuの日記

2004年12月12日(日) シナリオ量について。

最近、シナリオ量が3MBを越えるという超大作ノベルゲームが同人から出た。
意味がわからない。

だいたい200KBで原稿用紙換算200枚弱。
適当な長編小説なら、400KBもあれば十分だと思う。
それより長くなるのは作者の力不足だと思っている。
3MBもあったら、小説が十冊近く入る計算になる。
意味がわからない。

シナリオ量が3MBということは、純粋に文字が3MBあるということだと思う。
それは有り得ない。
なぜなら、ゲームは小説に比べて文字数が激減するからだ。
全てを文字で表現する小説と違って、ゲームではグラッフィクや音楽などの各種演出がユーザーに与える情報量が加わる。
このため、文字による情報量は減るのが必然である。
単純に、小説では必要なト書き(「」以外の文。つまり、会話以外の文章ですね)がゲームではほとんど必要なくなる。
それはキャラクターの表情変化や、背景の変化、効果音などでほとんどが代用されるからだ。
つまり、文字のほとんどが会話文になるはずのゲームで、シナリオ量が3MBもあるということは、おそろしく長く、ユーザーにとって苦痛を伴う作品であると予想されてしまう。

ゲームでは文字を用いずにストーリーを進めることが可能である。
たった一言で1シーンを終わらせることも簡単だ。
そして、それで十分にユーザーには伝わる。
そのようなメディアにおいて、小説何冊分にも及ぶ文字をユーザーに与えるのは不親切極まりない、と個人的に思うのだ。

おそらく、シナリオライターがいないのだろう、と思う。
小説家はいてもシナリオライターはいない。
あるいは、企画職もいないのではないだろうか。
元来、シナリオは200字詰め原稿用紙を使って書く。
それだけ文字数は少ないのだ。
文字数は少なくとも、ストーリーは進む。


シナリオの肝はいかにストーリーを構成するか、にある。
それをシナリオ量3MBなどという、意味不明な謳い文句で汚さないでほしい。


 < 過去  INDEX  未来 >


amatelasu [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加