日々、ポケットへつめこんでおいたこと。
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2004年06月12日(土) 宮脇綾子展へ。

宮脇綾子さんの展覧会を観に、豊田市美術館へ。

どの作品も本当に可愛らしく、ものの形のとらえ方がすごく素敵で、勉強になりました。
なんというか、作品のひとつひとつが、どれもこれも可愛いのです!視点がいいというか、どんなちょっとしたものでも、愛をもったあたたかな視線で見ているのが伝わってくるのです。それが綾子さんであり、たくさんの人々の心をつかんで離さないとこなんだろうと思います。それに、日々をいかに丁寧に、自分の呼吸で過ごしていらっしゃったかもよくわかります。
日常なんてぼんやりしていたらどんどん過ぎてしまうものだけれど、綾子さんの日々はきっと、濃い時間の、あたたかなものだったのだろうなぁと思います。
もちろん素材の使い方も面白かったし(たとえばトマトをふたつに切った時の、中の種をレースで表現していたり!、スルメを鹿皮で作ってあったり!)色や柄の組み合わせ方など、そういった細かい所を見るのも楽しかったです。干柿屏風図なんて、圧巻でした。

本を読んでいたので、綾子さんの縫った着物の展示も嬉しかったです。
藍が好きだったという綾子さん。あちこちから集まった藍染めの生地を何枚も何枚も継いで着物に仕立ててあるのです。手のこんだことです!
玉結びをいっぱいした着物もあります。プチプチと小さな玉が規則正しく並んでいてすごく可愛い。けれど、これをひとつひとつ一人でやったのかと思うと、気が遠くなりそうです。これはもう、本当に好きだからこそできたのだろうし、こうも素敵なものになるのだろうな。仮に誰かがまねをして、同じように作ったとしても、綾子さんのほど、素敵にはなれないはずです。
あと忘れてならないのが、着物の紋として、「あ」の文字が背中に、ちょん、と刺してある。これはあまりの可愛らしさに笑ってしまいました。アプリケ作品にいつもある「あ」のサインがそのまま紋になっているのです。こんなおちゃめなユーモアのあるひとだったんだなぁ。

綾子さんの回りの品々や大切にされていたものなども展示してありました。小さな古い箪笥や、結婚前、夫である宮脇晴さんと文通をしていたときの手紙なんかを見ていたら、きゅうに胸がいっぱいになってきて少し泣いてしまいました。特に箪笥!何枚かの布地がそこから出ていて、暮らしの匂いを感じたのか、わぁ、と思ったら涙が出た。涙が落ちないように注意しながら、手紙の展示されているケースを、上からずっと覗いていました。

小さなことに、感動できる心の余裕、大きくて穏やか。
ものを大切にする心、美しいと思える心。
わたしがいつも忘れないでいようとおもっていることばかりです。わたしちょっとおこがましいかもしれないけれど、綾子さんはきっと、わたしと同じような考えを持っていらっしゃって、実際そうして生きた方だと思います。わたしはすぐ忘れて、いらいらしてしまったり泣いたりするけれど。だから綾子さんは、憧れであり、尊敬してしまいます。
遠く及ばずも、わたしも今、切り絵なんてやっています。綾子さんのように一生の仕事にできるかわからないし、全然なんのためにやってるのか、どなたかがが見てくださったとして、良いと思ってくれるのかもわからないけれど、わたしらしく、ていねいに、呼吸をするように続けていけたらいいなぁと、つよく思いました。


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