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2005年03月21日(月) 思考の迷路

よくはまります。思考の迷路。迷子です。迷ってなんぼ、くらいに思うようにしたほうがいいな〜とか、今、思ったりしてます。

愛人になりたい関さんのブログ風に区切って書いてみよう。流れを考えると、考えてる間にまた時間がすぎる。でも、多分、自分の中でなんか繋がってる気がしてるから、同じページに書いておきたいのかな、とは思う。

折しも、F4ケンちゃん(朱)の「HERE WE ARE」が、かかってます。
♪Here we are. It's not a Perfect World.♪
印象的なメロのサビでございます。ラブ・ソングですがね。


■野田地図「赤鬼」タイバージョン
昨夜、NHKBSでやってました。録画してもまたためるだけだしな〜と、リアルタイムで観ることに。退屈と思えばやめればいいし、って。
夢の遊眠社に間に合ったんで、そのまま野田地図も観ることになった私ですが、何故か観た作品の記憶がないくらいはまらなかった。「キル」も全然思い出せない。なんか動きすぎる野田秀樹は野田秀樹だからいいんだけど、役者全員が野田秀樹にならなくてもいいんじゃないの?とか思った。がちゃがちゃしてみえた。ミーハーなくせに天の邪鬼なとこもあるから、人気もあるし、みんな観てるから私一人減ったところで、競争率もさがりゃしないくらいだし、ま、いっか〜みたいな感じで、観に行かなくなりました。お知らせを見て、これは観たいかもと思ったら江戸オンリーだったりね。
あ、タイトルが思い出せない。鈴木京香さんが出てたやつ、あ〜、気持ち悪い、思い出せない!けど、それは好きでした。で、あ〜、やっぱり野田秀樹って頭いいんだな〜、って、好きな世界なんだって思った。目のつけどころとかアイデアとか、含有するものとか意味とか、そういうののスゴさは他の人も持ってるだろうけど、そこじゃなくて、言葉遊びというの?その巧みさはすごいな〜と。で、無理して避けないというか、無理に情報を得ようともがんばらないけど、くらいな位置で思ってて、とか書いてて、恋したのに手に出来ないから無理に嫌いになったのに似てる言い訳みたいとか思ったりして(笑)
ま、そんな感じで、だから「赤鬼」って作品があったことも再演してたことも、なんかタイバージョンやら英国バージョンが出来たのも、なにげに知ってたけど、ほんと名前だけで、どんな話とかなんにも知らなかった。脚本自体は同じで、演じる人数が違うなんて不思議なことになってたなんて全然知らなかった。解説のその話がなかったら昨日も観てなかったかも。ようはそこにひっかかったわけです。あと、タイには現代演劇の役者がいなかったとか再演時にオールキャスト同じとか。
はじまってすぐは、あ、囲み舞台なのね、ん〜、なんかに似てる・・・退屈するかも、とか思ったんだけど、話がまだ全然みえないのになんかね、胸がつまった。さらに数分のオープニングシークエンスが終わり、兄が語る過去に戻るあたりから、そういうことが言いたいの?そうなの?と、胸がつまって、ずっとずっと泣きそうな状態だった。そういうこと、が何かは、まだ言葉で表せられないんだけど。

あぁ、人間て・・・。そういうふうになるのは何故だろう。

悲しさと憤りと、でも妹や妹に執着する男が赤鬼と呼ばれる異国人と通じあう場面なんかでは、感動と、、、そんな感情が胸をつまらせたんだろう。

野田さん、やっぱりすごいよ!しかも野田秀樹な動きは野田さんだけで、タイの役者たちはもっとしなやかに舞踊的に動くので、1対多でバランスがちょうどいい具合だし。なんせ言葉のツナガリがさすがだよ!って、私が感じた胸のつまりが、野田秀樹の伝えたいつもりのことと合っているかは知らないけど、人の胸をうつだけですごい力だ!そして私が感じた胸のつまりが、近からず遠からずとしても、そういうことを伝えたいと一つの物語を練り上げた。それは野田作品の根底に流れ続けて繋がっている。すごい人だな〜って、そしてこの胸のつまりは、私に何を考えろと言っているんだろう、何を感じているんだろう。ぐっときつづけた。
ただ、物語の終わりが、妹が気付くのが、これ映画だかであったよね・・・海で遭難、致し方ない状況とはいえ、「人を食らうから鬼」というセリフとつながるし、とはいえ、もうちょっとを期待してしまった。しめくくらなくちゃいけない作品かもだけど、受け手に放り投げる終わりでもよかったんじゃないかとか・・・。シーンはすごく綺麗で、役者がすごく素敵だったから、居たらスタオベしたに違いないけど。


■「第十七捕虜収容所」(1953米)
やっと観ました、映画。おととし?先おととし?観たの。舞台の「第十七捕虜収容所」、今はなき近鉄小劇場で。ドイツ軍の第十七捕虜収容所のアメリカ兵の一部屋に実はスパイがいるんじゃないか、って、アメリカ兵捕虜同士が疑い合うというか、収容所生活の波にうまく乗って生きてる男が疑われる、彼を疑っているから本物になかなか気付かずスパイされ続ける。アメリカ人同士でいつのまにか憎しみや暴力がうまれる。実は戦前アメリカ育ちのドイツ人がばけて潜入してたんだけどね。
舞台では疑われる男を京ちゃんがしていたな〜、ドイツ人スパイはトリビア高橋だったな〜、中立であろうとするけど、出来なくて京ちゃん殴る場面くらいから疑う、自分達が正しいと思い込む側になる総務係の男は「相棒」伊丹刑事でおなじみになった川原さんだったな〜とか、思い出しながら観ていました。
戦争のショックで話せなくなってオカリナを吹く以外は怯えている男が、実は一人、暮らしぶりがよく立ち回っているだけで疑われた男ではないと気が付いていた。

なんだかな、、、そん時も、あぁ、人間て・・・。

って思った。衝撃的な芝居を小劇場で半分しか客入ってないなんてもったいない、もっと多くの人に観てほしい作品だ!って、ぐっときたんだす。だから、映画はもっとぐっとくるはずだって思っていたら、ちと肩透かしでした。ほとんど中身はかわってないのよ、演出も。だから多分、生身の人間がそこで演じてる空間が、自分も収容所にかなり近い場所にいる気が切羽詰まって恐さを助長したのかもしれないね。


■「悪魔の唄」阿佐ケ谷スパイダース
TRで長塚圭史が語ってた。それを見返したり、パンフを読んだり、作品を反芻して書こうと思ってたんだけど、ここに今、感じた思いにツナガリがある気がするんで、書く。
作品として、長塚ワールドは「テキサス」からで、おこがましいが、独特の気持ち悪さ、不気味という意味より気持ちの置き所がさだまらない、わからないし、おさまりが悪いって感じの気持ち悪さが、好きで、江戸オンリー以外は観てる、はず。で、すごい才能だな〜と思うんだけど、作品として未成熟、未完成な感じ、その時期だから書けた、そう演出した作品だからの価値や意味もあるはずだけど、成長して練ってそれを書いたら、演出したらもっとすごくなるって気がしてた。もっとすごい状態を彼が望んだかどうかは別として。
それが「ミツバチ」くらいから話の放ったらかし感はあるまま、役それぞれが脇感少なくて主役不在な感じなままで、物語が放散せずに物語としてぎゅってなってる度が、あがってきてて、なんかこの「悪魔の唄」ではまた力があがった、すごいよ圭史さん!と、思った。ついていきます!みたいな、これからも出来るだけ見続けたい。
で、「悪魔の唄」ですが、圭史さんの中にどうしても戦争を取り入れたかったってのがあるらしい。しかも太平洋戦争。でも戦争というものは、そのとらえ方、伝え方が難しくて、ある意味ひとつ間違えるとかなりやばい。ということを踏まえたうえで、それを踏まえなきゃいけないなと感じたことをパンフの最初に舞台監督?が(すみません違うかも)、書いちゃってる。その感じが潔いな〜と思った。そうして出来た物語は、現代の壊れた夫婦が訪れた別荘に、自ら死に恥をさらしたままでは死にきれない、もう死んでるけど、ってゾンビになって出てくる兵士3人と、その兵士を思い続けて霊になった女とその女を思い続けて霊になった夫が、太平洋戦争と時代を持ち込む。その兵士3人は、ほんとに死んでも死にきれない、もう死んでるけどって強く思っている点は同じだけど、実は、死に恥と思っている心はばらばら。報国を誓っている男は一人、足の障害で兄弟から遅れなかなか出征出来なかったという思いが兵士でいる理由な男と、妻子を守るために兵士でいる男。そこに、霊になってまで思いを遂げたい女とそれを阻止したい霊になった男、現代の自分の浮気が妻を壊した罪を償いたい男と、壊れた妻と、それで義兄を恨む妻の弟がいりまじり、交錯し、物語は、走りやがて終わる。

あぁ、人間て・・・。あぁ、人間て・・・。あぁ、人間て・・・。

恐ろしくて、哀しくて、愛しくて、可笑しくて、残酷で、身勝手で、優しくて、弱くて、強くて、扇動されやすくて、頑固で、粘り強くて、壊れやすくて、、、、、


そんな人間である私が、色々な人や出来事に出会い、色々な体験できない、したくもない今のことや歴史を人づてに聞いたり、見たり、読んだり、フィクションとして構築されたものでまた聞いたり、見たり、読んだり、そうして感じさせられた、感じたことは、どう考えたらいいんだろう。伝えたい、引き継ぎたい、残したいと思ったら考えを形にしなくてはいけないけど、難かしい。伝えたいと思った?考えを受けた感じ、それに感じた思い、私の思いが、いりまじる、交錯する。私の思いや考えも一つじゃないし。

そして思考の迷路にはまるのだが、多分、それはきっと無駄じゃない。感じる、考える、想像する、そんなことが止まってしまう状態の方が、人間にとって恐いことだと思うから。


もっちゃん |M@IL( ^-^)_ヲタ""日常こんな劇場( ^-^)_旦""

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