よるの読書日記
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『図書館の神様』<瀬尾まいこ/マガジンハウス> 妹に借りて読みました。 わりと淡々とした一人称で語られる、高校教師のお話 なのですが。彼女の失恋のくだりは切々と悲しい。 不倫の恋人に、ある日どうしても電話をかけてしまう。 低い声で彼は言う、迷惑なんだけど。 これほど端的に、不倫という関係性を表現している場面って ないんじゃなかろうか。 どんな奇麗事を並べてもらっても、所詮都合のいい女。 向こうが好きなときに来て、自分は待つだけ。 そこがメインではないのですが、唸らせられました。
文芸部の男子高生とのやりとりも淡々とほほえましい。 皆それなりに傷があったり痛い過去があるのですが、 投げやりにならずにしん、と前を向いてて気持ちがいいです。 かわいらしくて素敵な作品でした。
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