よるの読書日記
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2003年12月29日(月) ココロノリハビリ

『図書館の神様』<瀬尾まいこ/マガジンハウス>
妹に借りて読みました。
わりと淡々とした一人称で語られる、高校教師のお話
なのですが。彼女の失恋のくだりは切々と悲しい。
不倫の恋人に、ある日どうしても電話をかけてしまう。
低い声で彼は言う、迷惑なんだけど。
これほど端的に、不倫という関係性を表現している場面って
ないんじゃなかろうか。
どんな奇麗事を並べてもらっても、所詮都合のいい女。
向こうが好きなときに来て、自分は待つだけ。
そこがメインではないのですが、唸らせられました。

文芸部の男子高生とのやりとりも淡々とほほえましい。
皆それなりに傷があったり痛い過去があるのですが、
投げやりにならずにしん、と前を向いてて気持ちがいいです。
かわいらしくて素敵な作品でした。


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