よるの読書日記
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2003年11月11日(火) 男のロマン。

『岳飛伝』参<田中芳樹 編訳/中央公論新社>
大体国の治世が乱れてる時に正義のヒーローというのは
報われないもんです。
王だか皇帝だかに政治力がないところにもって
人を見る眼もなくて奸臣を寵愛するときている。
バカ家臣は自分の利益を守ることしか考えてませんから、
有能な芽を潰すことに躍起になるという……。
それなのに国のために頑張っちゃうところがいかにも
忠臣の忠臣たる所以なのですが、見てて切ない。
むしろ敵将の方がライバルの力量を認めてたりして、
ますます切ない。
これで寝返っちゃったら単に自分の力を恃む奴に
なっちゃってこうは語り継がれなかったとは思いますが、
それはそれで、腕一本で生きていくのも一つの男の生き方?
なのでは。と思う私に男のロマンはわかってないのでしょう。
「愚直」「不器用」「高倉健」という感じ。
いや、健さんがかっこいいのは認めるが。


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