よるの読書日記
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『岳飛伝』参<田中芳樹 編訳/中央公論新社> 大体国の治世が乱れてる時に正義のヒーローというのは 報われないもんです。 王だか皇帝だかに政治力がないところにもって 人を見る眼もなくて奸臣を寵愛するときている。 バカ家臣は自分の利益を守ることしか考えてませんから、 有能な芽を潰すことに躍起になるという……。 それなのに国のために頑張っちゃうところがいかにも 忠臣の忠臣たる所以なのですが、見てて切ない。 むしろ敵将の方がライバルの力量を認めてたりして、 ますます切ない。 これで寝返っちゃったら単に自分の力を恃む奴に なっちゃってこうは語り継がれなかったとは思いますが、 それはそれで、腕一本で生きていくのも一つの男の生き方? なのでは。と思う私に男のロマンはわかってないのでしょう。 「愚直」「不器用」「高倉健」という感じ。 いや、健さんがかっこいいのは認めるが。
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