よるの読書日記
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『記憶の技法』<吉野朔実/小学館> 好きなんですこの人の漫画。今回はタイトルからしてやられた。 修学旅行の書類から、両親に自分より2ヶ月後に生まれた 長女がいたこと、自分が五歳の時特別養子制度によって 今の両親に引き取られたことを知った華蓮。 学校や友人には祖母の見舞いに行くと伝え、両親には 修学旅行へ行く振りをして自分の出生を探す旅に出る。
結構のほほんとしてていかにも両親に愛されて育った 世間知らずなヒロインなんですが(高校生だから当たり前か)、 そんな彼女のサポートをしてくれる怜(さとい)君がいいです。 生まれつきの青い目のせいで父は母を疑い母には 奇蹟扱いされて育てられそうになった男の子。
二人が出会うのは思いもかけない事実なのですが、 そのせいで華蓮がどーんと落ち込むとか、トラウマが 一気に噴き出すのではなく、淡々と記憶を取り戻す ところが読ませます。 辛い記憶を取り戻しただけでなく、自分についてとか、 両親への愛なども自覚する。そこがいいんです。
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