よるの読書日記
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2003年11月10日(月) 帰るための旅

『記憶の技法』<吉野朔実/小学館>
好きなんですこの人の漫画。今回はタイトルからしてやられた。
修学旅行の書類から、両親に自分より2ヶ月後に生まれた
長女がいたこと、自分が五歳の時特別養子制度によって
今の両親に引き取られたことを知った華蓮。
学校や友人には祖母の見舞いに行くと伝え、両親には
修学旅行へ行く振りをして自分の出生を探す旅に出る。

結構のほほんとしてていかにも両親に愛されて育った
世間知らずなヒロインなんですが(高校生だから当たり前か)、
そんな彼女のサポートをしてくれる怜(さとい)君がいいです。
生まれつきの青い目のせいで父は母を疑い母には
奇蹟扱いされて育てられそうになった男の子。

二人が出会うのは思いもかけない事実なのですが、
そのせいで華蓮がどーんと落ち込むとか、トラウマが
一気に噴き出すのではなく、淡々と記憶を取り戻す
ところが読ませます。
辛い記憶を取り戻しただけでなく、自分についてとか、
両親への愛なども自覚する。そこがいいんです。


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