よるの読書日記
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2003年09月09日(火) はんなりなり

『睡蓮の長いまどろみ』上<宮本輝/文藝春秋>
昔、休み時間に文庫を読んでいたら英文学の先生に
「随分地味なもの読んでるんだね。」
と目を丸くされた。近親相姦のどこが地味なんだろう、
と思ったけど黙ってました。
宮本輝で思い出すのはもう一つ、ある作品でうちの妹の名を
例にあげて登場人物にハイカラすぎて、ヘンな名前、
年取ったらどうすんだと言わせていて密かなショックを
受けました。いいじゃないか可愛い名前のばあさんがいても。
ま、その分姉の私の名前は音はともかく字面が硬いですが。
幕末の志士に一人くらいいそうな感じ。あるいは寿司屋の屋号。

さて、久しぶりの宮本作品です。タイトルも長いが中身も長い。
赤ん坊の自分を捨てて出て行った母の噂を聞き、正体を隠して
ヨーロッパまで会いに行った中年男性。
目前で起きた飛び降り自殺とそれを疑う執拗な手紙、
そして、母は何故自分を置いて父と別れたのか……。
あまたの謎にまとわりつかれ、さまよう物語。

宮本さんの書く関西弁って好きです。何かでんがなまんがな
してなくてちゃかちゃかに聞こえない。


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