よるの読書日記
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『睡蓮の長いまどろみ』上<宮本輝/文藝春秋> 昔、休み時間に文庫を読んでいたら英文学の先生に 「随分地味なもの読んでるんだね。」 と目を丸くされた。近親相姦のどこが地味なんだろう、 と思ったけど黙ってました。 宮本輝で思い出すのはもう一つ、ある作品でうちの妹の名を 例にあげて登場人物にハイカラすぎて、ヘンな名前、 年取ったらどうすんだと言わせていて密かなショックを 受けました。いいじゃないか可愛い名前のばあさんがいても。 ま、その分姉の私の名前は音はともかく字面が硬いですが。 幕末の志士に一人くらいいそうな感じ。あるいは寿司屋の屋号。
さて、久しぶりの宮本作品です。タイトルも長いが中身も長い。 赤ん坊の自分を捨てて出て行った母の噂を聞き、正体を隠して ヨーロッパまで会いに行った中年男性。 目前で起きた飛び降り自殺とそれを疑う執拗な手紙、 そして、母は何故自分を置いて父と別れたのか……。 あまたの謎にまとわりつかれ、さまよう物語。
宮本さんの書く関西弁って好きです。何かでんがなまんがな してなくてちゃかちゃかに聞こえない。
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