よるの読書日記
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『高麗屋の女房』<藤間紀子/毎日新聞社> 縁ってすごい所に転がってるんですねぇ。松本幸四郎の奥様と 言えば、松本紀保・市川染五郎・松たか子のお母様。 さぞ由緒あるおうちのお嬢様だったんだろうと思っていたら、 元々は九州の開業医の娘さんで、大学進学で上京、 踊りを習いに行ったらそこに松本幸四郎がいたと。 在学中お付き合いして、結局就職しないまま結婚。
いいとこの奥様っておっとりしてて品のいい感じの人か 高飛車でわがままな感じの人か、っていうイメージありますが この人はもう完全に前者ですな。結婚前に旦那のお母様や妹と すっごい仲良くなったって言うのがすごい。気に入られたんだよー。 だって舅や姑のこと義父とか義母とか書かずに本当に父母って 書く人なんだぜー。こりゃーどこにもやらずに独り占め したくなるだろう。出版はちょうどいろいろ息子がらみの スキャンダルがあった頃だそうですが、あーこの人本当に 息子のこと信じてるんだなぁー……と。 もちろん約束事とかしきたりとか大変な世界で暮らされてて 普通の専業主婦とは全然違うわけですが、それを考慮すると 余計にこの邪気のなさは素晴らしい。真似は無理だが尊敬に値する。
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