よるの読書日記
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2003年06月18日(水) 完全純粋培養奥様

『高麗屋の女房』<藤間紀子/毎日新聞社>
縁ってすごい所に転がってるんですねぇ。松本幸四郎の奥様と
言えば、松本紀保・市川染五郎・松たか子のお母様。
さぞ由緒あるおうちのお嬢様だったんだろうと思っていたら、
元々は九州の開業医の娘さんで、大学進学で上京、
踊りを習いに行ったらそこに松本幸四郎がいたと。
在学中お付き合いして、結局就職しないまま結婚。

いいとこの奥様っておっとりしてて品のいい感じの人か
高飛車でわがままな感じの人か、っていうイメージありますが
この人はもう完全に前者ですな。結婚前に旦那のお母様や妹と
すっごい仲良くなったって言うのがすごい。気に入られたんだよー。
だって舅や姑のこと義父とか義母とか書かずに本当に父母って
書く人なんだぜー。こりゃーどこにもやらずに独り占め
したくなるだろう。出版はちょうどいろいろ息子がらみの
スキャンダルがあった頃だそうですが、あーこの人本当に
息子のこと信じてるんだなぁー……と。
もちろん約束事とかしきたりとか大変な世界で暮らされてて
普通の専業主婦とは全然違うわけですが、それを考慮すると
余計にこの邪気のなさは素晴らしい。真似は無理だが尊敬に値する。



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