よるの読書日記
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『ハーモニーの幸せ』<田口ランディ/角川書店> 最初、男なのかと思ってましたらこれはハンドルネームらしい。 ネットが生んだ作家さんなんですね。 一個のおにぎりで悩み苦しむ人を何度も救った、という東北の 女の人に会いに行った話が良かったです。 おにぎり。今、コンビニでも高級志向でおいしいのが買えますが、 でも手軽で気軽なジャパニーズファーストフードの代名詞的存在。 それをその人は一個一個心をこめて握る。 「面倒くさいと言うことが嫌い。」とその人は笑う。 有機野菜だの無農薬にこだわらない。農家の人が売れないからと くれる小さなおいもを、丁寧に皮をむいて料理する。
これってたぶん昔はどこのお母さんでも毎日やってたこと なんじゃないかと思うんですね。 今の忙しいお母さんにそれを毎日しろとは言えない。自分にやれって 言われても絶対できない。でも時々でいいから、もっと 食について真面目に向き合うべきだよなー。スーパーで簡単に 買えるお惣菜、おにぎり1個だって、必ず誰かの手がかかってる。 たまのお休み、遊園地に行ってなんびゃくえんのジュース飲むのも いいですが、ちゃんとお米研いで、お鍋でご飯炊いちゃったりして、 家族全員でおにぎり作ってみてはどうでしょう。 不恰好で大きいお父さんのおにぎり、やっぱりきれいなお母さんの おにぎり、庭がある人は縁側で、なきゃ近くの公園まで歩いていって、 そこでぱくつくのも乙なもの。魚沼産コシヒカリじゃなくても、 絶対美味しいに決まってる。
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