よるの読書日記
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2003年05月19日(月) スローフードの幸せ

『ハーモニーの幸せ』<田口ランディ/角川書店>
最初、男なのかと思ってましたらこれはハンドルネームらしい。
ネットが生んだ作家さんなんですね。
一個のおにぎりで悩み苦しむ人を何度も救った、という東北の
女の人に会いに行った話が良かったです。
おにぎり。今、コンビニでも高級志向でおいしいのが買えますが、
でも手軽で気軽なジャパニーズファーストフードの代名詞的存在。
それをその人は一個一個心をこめて握る。
「面倒くさいと言うことが嫌い。」とその人は笑う。
有機野菜だの無農薬にこだわらない。農家の人が売れないからと
くれる小さなおいもを、丁寧に皮をむいて料理する。

これってたぶん昔はどこのお母さんでも毎日やってたこと
なんじゃないかと思うんですね。
今の忙しいお母さんにそれを毎日しろとは言えない。自分にやれって
言われても絶対できない。でも時々でいいから、もっと
食について真面目に向き合うべきだよなー。スーパーで簡単に
買えるお惣菜、おにぎり1個だって、必ず誰かの手がかかってる。
たまのお休み、遊園地に行ってなんびゃくえんのジュース飲むのも
いいですが、ちゃんとお米研いで、お鍋でご飯炊いちゃったりして、
家族全員でおにぎり作ってみてはどうでしょう。
不恰好で大きいお父さんのおにぎり、やっぱりきれいなお母さんの
おにぎり、庭がある人は縁側で、なきゃ近くの公園まで歩いていって、
そこでぱくつくのも乙なもの。魚沼産コシヒカリじゃなくても、
絶対美味しいに決まってる。


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