よるの読書日記
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『きものをめぐる物語』<林真理子/新潮社> 林センセイってホラー作家になっても大成してたんじゃないだろうか。 怖いよこの本。図書館で借りたので良かったー。手元に置いておくの怖い。 短編集ですが全編怖い。おんなの、着物にまつわる怨念情念因縁が 全て詰まってます。もう甘っちょろい心理サスペンスなんかより よっぽどドロドロドロ。これはやっぱり大事にすれば孫子の代まで 持つ、という着物ならではなんじゃあないでしょうか。 西洋でも着道楽な人はたくさんいたと思いますが、たぶんよっぽど 奇抜な色柄でなければ形として完成されてる着物と違って、 流行り廃りがはっきりしてる分、どんな高級品でもそうドレスに 愛着は湧かないのでは。曰くが付きまとう意味では宝石のほうが 近いのでは……と思うのですがどうでしょう。 『リング』が怖くて二度と観れない、って人の気持ちがようやくわかりました。 正直言うと、もう読みたくない。読んだことない人にはオススメしますが、 私は絶対もう読まない。ちなみに挿絵に『ぼっけえ、きょうてえ』の 表紙と同じ絵が使われてます。甲斐庄楠音の『横櫛』だそうです。
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