よるの読書日記
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2003年03月09日(日) 読書日記泣かせ

『マークスの山』上<高村薫/講談社文庫>
高村薫という作家は、一番最初に作品を読んだ時に
「おおっ、すごいぞこれ!」
と思ったわりにあまり手が出ない作家です。
考えてみたんですけれど、やっぱり女性とは思えないほど
濃密に男の世界を書く作家さんだから、なのでしょうか。
変な例えをすれば、四角い紙に四角く世界を写し取るのが
男性作家、丸いけど筆圧高く抉るように描くのが女性作家。
しかし高村薫という人のは四角くて、深い。ような気がする……。
面白くてページをどんどんめくるんだけれど、めくればめくるほど
何かを見落としていっているような、自分がその密度に
ついていけないような気になるのです。
だからとても、感想の書きにくい作家さんだ。うん。


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