よるの読書日記
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『タブーの謎を解き明かす』<山内 昶/ちくま新書> 吉本ばななの『満月』<『キッチン』収録/福武文庫>で、 「どうして君とものを食うと、こんなにおいしいのかな。」 「食欲と性欲が同時に満たされるからじゃない?」 と言うシーンがありますが、 つまり性と食とはそういうことなのでした。 性的なことを食物とか食行為になぞらえるって 古今東西よくあることのようです。
そしてタブーにおいてもこの関係は 密接で、同じアプローチから読み解いたのが以下の説。 性交してはいけない相手としていい相手、 食べてはいけない肉と食べていい肉の 違いは自分との距離だそうです。 つまり、
近い 親子・兄弟などの濃い血縁=ペット=禁忌 やや近い 従兄妹などの血縁=去勢・雛の家畜=場合によっては可 遠い 他人=野生の鳥獣=可
ふーむ。なんとなく納得。 ところで万物の霊長たる人類の肉は、 まずいらしいです。
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