よるの読書日記
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2002年04月21日(日) ↓大嘘吐き。

4年も付き合ったので、もうちょっとクレパラ語らせて☆
最終巻で14年前の悲劇がいかにして起こったか全容が
明らかになったわけですが。司という男装の少女が
生まれることになった背景が無闇に気になる私は大人だから?

司本人は惚れた男を救うためなら刺し違えても構わない、
と言った実母が自分自身のように思えてならないと
語っておりますが、私にはむしろ君の実父の御海道草氏が
竜二に似ていたのではと思えます。
病弱で誰からも必要とされていない、と感じていた
シバ氏にはわからなかったかもしれないけど、
草氏には草氏の、あらゆる人から期待される重圧、
定められた将来への鬱屈があったのではなかろうか。
それが(たぶん)温和で優しい妻がありながら
躍動的で力強い若桜への恋慕に至ったのではないかと。
自分を愛していないと知っている女を諦めるために抱く。
はっきり言って両性の合意の上で、と言うよりは、
レイプに近い状況だったと推測されるけれど、
そんなことして彼は本当に充たされただろうか。
私はむしろ暗い、茫漠とした狂気を感じてしまう。
――台詞もない人にここまで思い入れする私って変でしょうか?

名前も出てこない草氏の正妻は、
結果的には自分を裏切った夫と親友の間に出来た子の
出産をどうして泣いて迫ったのだろう。
女も闘えないと認められない極道の世界で、
親友にその仕事を肩代わりしてもらえることで
存在を認められていた彼女が、自分の立場を
危うくするようなことを望むだろうか。
夫の愛情と親友の好意、そして自分が産んだ跡目が
彼女の拠り所であったわけで。
外野に若桜に子供が生まれたことが知られれば、
名実ともに彼女を宝豪の聖妻に、なんて動きが
あっても不思議ではない。

それでも彼女は夫を許した。
たぶん彼女にはそれしかできなかったから。
そして夫と一緒に逝った――のだと思う。
何か全員が全員不幸だなぁ。だから悲劇なのか。

その分子供たちは幸せになって欲しいね。
話変わりますが1巻で竜二が
「1時間10万円で身体で払え」
と言ってたのは今も有効なのだろうか……。
それだと結構早いうちに借金完済できそうだよな、
二人とも若いし、跡目産んだらボーナスくれそう、
とかつい想像してしまう私はやっぱりイケナイ大人なのでした(恥)。


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