よるの読書日記
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2002年04月04日(木) 麝香の罠

『妖香』<ジョン・ソール/ソニー・マガジンズ>
表紙のデザインがいいです。
濃紫の光を黒い香水瓶の形で切り取って、
さらに中にお屋敷の写真…と言う多重構造。
因縁、小児虐待、多重人格などを繰り返しテーマで選ぶ人だそうで、
そう言えば『暗い森の少女』<ハヤカワ文庫>もそうだったなぁ。
しかしこっちの方が筆が円熟していると言いますか
真実が二転三転して最後までハラハラしました。
これは最近読んだ本の中でもかなりポイント高かったです。
ただ、虐待や暴力シーンは辛いですが。
読後感が重いのはそれに加えてやっぱりちょっと
自分と家族のあり方と重ねて考えちゃうからでしょうかね。
そんな大袈裟なもんじゃ全然ない、
私お得意の被害妄想だとわかってはいるのですが。
なーんか考えなくてもいいことを考えてしまうぞ。
こだわってもしょうがないと思うんですけどね、
どうもなかなか逃れられませんね。どよーん。


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