よるの読書日記
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| 2002年03月27日(水) |
続・人は意外と(しつこい) |
『ノストラダムスと王妃』下<藤本ひとみ/集英社文庫> カトリーヌ・ドゥ・メディシスと言うと 我が子のためなら毒殺さえ企てる蛇太后。 解説でも出てきましたが映画『王妃マルゴ』の ちんまりして頑固そうなビジュアルの婆さんのイメージ。 ただ、娘と口論するシーンで 「私は夫に愛されていた。お前達がその証拠よ。」 とか言うのですが、そうでなかったのは周知の事実。 妻が産褥の床を離れるまでは、好きなだけ愛人と よろしくやれますものね。 当時オギノ式とかはなかっただろうけど(笑)。 その口調が、言い張ってるというか自分で思い込もうと しているかのようで可哀想だなぁ、と思った覚えがあります。
この小説でのカトリーヌもそっちのイメージに近いです。 夫に見向きもされず、息子を外戚に取り込まれ、 それでも自分の居場所、自分の能力を発揮できる場面を 求めていた人。なまじ賢いだけに、じりじりするものを 抱えていたのでしょう。 タイトルロールのわりにノストラダムスは影薄いです。 カトリーヌの決意を導く意味での預言者、としては重要ですが。 1999年の解釈については、真剣に悩まされた 幼女時代を返せと言いたい(笑)。
あと内容に関係ないですけど容姿細かく描写するあたり 藤本ひとみ節健在。 「甘やかな(うちのワープロでは出ない)」とか 独特の表現も変わらず。
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