よるの読書日記
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| 2002年03月28日(木) |
犯罪の凶悪化って…基準は? |
相変わらずハンニバルなアンソニー・ホプキンス主演の 『タイタス』が面白かった(?)ので原作にトライ。 文庫ではなさそうなので図書館に行きました。 『タイタス・アンドロニカス』<シェイクスピア著 福田恒存訳/新潮社> どうでもいいですが、蔵書検索では 『シェイクスピア全集 補 タイタス・アンドロニカス』 で登録されてまして、棚を探してもないなと 司書さんにお願いしたら 背表紙にも表紙にもシェイクスピアの文字がなくて 見落としてたことが判明(笑)。 「最近意外と貸し出しが多いんですけど学校の課題図書ですか。」 と聞かれましが大学院生にでも見えたのかな(春休みなのに…)? 気を良くしてアカデミック風に表紙の理由を探ると、 一応別の作家の本にシェイクスピアが手を入れたと 考えるのが今日の定説なんだそうです。 奥付20年以上前だから新たな説が出てきてるかもしれませんが。
内容で言うとそもそもなんでタイタスがあの皇帝を 推薦したのかがわからなくて。 読んでみたけどやっぱり書いてありませんでした。 自分が選んだ男に冷遇される(拒否に近いか)不条理さは シェイクスピアならではっぽいと考えることにしておきましょう。 しかし残虐です。女犯して舌切って腕切り落とすだの。 子供殺して母親にその血肉食わせるだの。 人間四百年前から暴力的生命体です。
私好みのキャラはタマラ姐さんですが、原作ではなんとなく 目立ちませんでしたね。設定は同じですが 映画の方がインパクトあった(化粧と衣装がすごいから)。 敗北した敵国の女王で捕虜の身だったくせに 皇帝をたらしこんで皇后(おつむはともかく性的には成熟した 息子達…しかも次男三男、がいるにもかかわらず)になり、 黒人アーロンを情夫として愛し 生まれた子供の肌が黒いからと殺害を命じる悪女です。 日本では夏木マリが演じたことがあるそうです。 わからない人はそれで想像しよう。 その場合、タイタスは平幹二郎を思い浮かべるように。 ……目にありありと浮かぶなぁ。
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