よるの読書日記
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| 2002年03月08日(金) |
ペシミスティック自然論 |
『スマリの森』<遠藤淑子/白泉社> スマリ(アイヌ語でキタキツネの意)は 目立つために仲間と離れ、森で暮らすアルビノのキタキツネ。 しかし元気な弟ギツネ達に慕われて、騒々しい毎日を送っている。
北海道って(住む地域によると思うが)犬の散歩中に キツネに会えるのね……。 わたしゃ雉くらいしか遭遇したことないっす。 母の実家の裏山で熊の糞を見たことはある。 サルとかは結構里のほうに下りてきますから、 これも珍しくない。 ついでに私が通ってた大学は山を崩して作られていたので、 麓の方にカモシカが出たという噂はあった(笑)。 でもキツネはいない土地柄なので残念。 カモシカはいてもシカはいません。雪深いかららしい。
作中にもいろいろ仄めかされていましたが 人間と野生動物の共存というのは難しいのでしょうか。 と、言うかヒトが一方的に彼らを迫害しているのかもしれないけど。 農作物の被害とか民家に熊出没とか、元をたどれば 結局山を全部杉や檜にしちゃって、 観光客として出かけりゃ餌付けしたり山菜根こそぎ取ったり、 ゴミ放置してったりと無法の限りを尽くしてきた私達が悪いわけで。 ああどこがハートフルネイチャーロマンなんだ 次第に気が重くなってきたぞ。(注・遠藤さんは悪くない) 乱脈経営の銀行だの企業にカネ出すくらいなら、 国有林に果樹植えるってのはどうだ。 失業者を集めて林業のスペシャリストを育成しよう。 百年後国は滅びてるかもしれないが山河は在るぞ。
過去の遠藤淑子作品 ヘヴン2 狼には気をつけて
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