よるの読書日記
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今回も延期さんに借りた久世光彦の本です。 雛祭りの日を選んだわけじゃないですが、 読んだ本は『卑弥呼』<新潮社文庫> 谷川俊太郎が同じ様な詩書いてなかったっけ? さくらももこ風に言うとセブンじゃない方の女性誌の話です。(←違う) いや、しかし現代小説だったとは。 カバーをかけた状態で借りたので、予備知識ないまま読み始めちゃって。 卑弥呼という謎の女性をめぐる一大叙事詩だと思ってた私の立場は。
ストーリーはセックスレスの若いカップルがいて、 雑誌編集者である彼女の方が、 例えばこんな文章でも明るく表記できる女性器名を考えよう!と 企画する所から始まるのですが。 私にはこれは偉大なるマザコン小説だと思えましたね。 少年時代母に去られた薫君も母子家庭で育ったユウコちゃんも はっきり言やーマザコン。 つまり自分の出口名をはっきりさせようという話なのね(^_^;)。
私のいい加減な記憶では久世さんって学童疎開かなんかで 富山にいたことあったんじゃなかったっけ。 こっちの地方新聞にエッセイか何か連載されてたような覚えが。 もし間違ってたらごめんなさい。 それでだと思うんだけど、例の呼び方にはいろいろ方言もあるという たとえに富山県の方言も出てきてました。私は知りませんでしたけどね。 そりゃそっか、誰が教えてくれるというのだ(笑)。
先日読んだ『聖なる春』もそうでしたが、 久世さんって物知り。でも若干つっこみさせていただくと、 信号機が縦になってるのは何も高田(新潟県)だけじゃなくってよ。 いわゆる豪雪地方は大概そうです。 雪の降る面積が広いと重みで落ちちゃうかららしいですが。 新潟では高田だけという意味なのかもしれないけど、 何を隠そううちの近所は平野部ですがやっぱり縦型。 だからその発言はタクシーの運転手さんが勘違いしてるか 客をからかったのかどっちかだと私は思う。 直後にユウコ達は富山石川まで足を 伸ばしているのだから、すぐ気づいた筈。
あともう一箇所、読書家で博覧強記のすごい婆様が登場なさいますが、 この人を紹介するのに「昔の女のくせに家事が嫌い」って! あのね、男が面倒なことは新しかろうが古かろうが 女だって面倒なんだって!!――と心の中で叫びました私(笑)。 私だって80過ぎてバツ一息子と孫のパンツ洗うより 小説読んでる方が幸せだい。
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