よるの読書日記
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2001年12月08日(土) 名君主≠賢母?

江村洋『ハプスブルク家史話』<東洋書林>と
『ハプスブルク家の女達』<講談社現代新書>。
結婚政策が御家芸というハプスブルク家のお勉強をしてみました。
客観的に見て結婚で発展したと言っても過言ではない。
しかしやはり負の一面は存在していて、
二重結婚(例:兄妹が他の王家の姉弟とそれぞれ婚姻)や
叔父姪の夫婦から生まれたため、近親婚の弊害と思われる
子供たちが少なからず存在した模様。
てことはビッテルスバッハの狂気をどうこうフランツ・ヨーゼフが言えないよなぁ。
て、言うか貴方とシシィ(エリザベートの愛称)だって従兄妹じゃん!

ついでながらちゃんと恋愛結婚のカップルもいて、
身分違いの恋を貫いた方々も。あの女傑マリア・テレジアもその部類。
しかし子だくさん=母性的っつーのは現代人の勝手な思い込みなのかも。
他の面であれほど男勝りとか女だてらにという形容が似合う彼女ですが、
母としては?です。16人も産んでりゃかわいい子もブサイクも
16人16色で面白いだろうに。何でえこひいきするかな。
いっそのこと子供を全員政略結婚の駒扱いするならまだ納得行くのに、
一番の愛娘だけ恋愛結婚許しちゃうってあたりがなー。
今度は政治家としては詰めが甘いんじゃない?
女帝の秘蔵っ子なんて最高の切り札だと考えるのが筋だよねぇ。

もしかして彼女にとって一番愛しているのは国と夫で、
子供って跡継ぎか駒か愛玩の対象か役立たずの
どれかでしかなかったんだろうか。
まあ当然育児なんかしてないだろうし(授乳している女性は
妊娠しにくい。昔高貴な女性の子供に乳母をつけたのは
このことを経験的に知っていたためなのかも。)、
そばにいなきゃ情も涌かないかも。もっとも彼女に限らず子供のえこ贔屓も
ハプスブルク家の十八番らしいのですが。おいおいおい。


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