よるの読書日記
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2001年10月21日(日) 童話同様本当は怖い

「妖かしの宴」<水木しげる監修/PHP文庫>
副題はわらべ歌の呪い。
「水木しげる」「妖かし」「宴」と来て、
京極夏彦がないのは何故?と思ったのは私だけじゃないはず。

ところで「花いちもんめ」って、どんな歌詞で遊んでましたか?
私は「箪笥 長持 あの子が欲しい」。
で、じゃんけんの時は
「猫 猫 鼠捕り イタチが追いかけた」と歌うのですが。
どうも地方によって違うらしい…。
ついでにこの本に載ってないけど好きだったのが
「あぶく立った 煮え立った 煮えたかどうだか食べてみよう」
と歌って、円の中心にいて食べられた子がおばけになって
やってくる遊び、これもローカル遊戯なのだろうか。
今思うと結構怖い遊びだよな…。

作品に戻ると、九人の執筆者が腕を振るっています。
特に印象に残ったものだけ。
「郵便屋さん――タイムカプセル」<新津きよみ>を読んで
思ったのは、翻訳しにくそう…ってことか。
漢字のトリックや謎かけは説明しにくいだろうね。
「籠女(かごめ)――鳥の祝ぎ歌」<高瀬美恵>
仕事はできるが中途半端なスカートを着て
変人で通っている同僚(ヒロインにあらず)が
妙に好きでした。話もうまくまとまってて好み。
「通りゃんせ――夏、訪れる者」<霜島ケイ>も
読後感がもの悲しくて良かった。
唯一読んだことのある小説家なので、落ち着いて読めました。

とは言え同じ作家でも短編は作品によって好き嫌いが
はっきり出るので、物書きの方には特に難しい分野かも。
個人的にはこういうホラーミステリーの場合、
謎は謎、幽霊は幽霊のままにしておいた方が
手触りと言うか読んでいてしっくりします。
中途半端に謎を解明されるとつまらん。


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