よるの読書日記
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2001年09月18日(火) 悪女アンナ

「アンナ・カレーニナ 下」(トルストイ/岩波文庫)を
読み終わりましたぁ〜。前にもちょっと触れた気がするが
最初から結末がばれている、あれです。
誰からも愛され尊敬される美しい淑女だったヒロイン・アンナが
不倫の恋に身を焦がし若い恋人と駆け落ち、
途端に社交界からは軽蔑され(当たり前だ)
我が子には逢えず(だから駆け落ちなんだってば)
夫からは正式な離婚を拒否され、やがては愛人の恋情さえも
疑い列車に身を投げる、というストーリーです。
バレエのあらすじでは(日本で忠臣蔵が歌舞伎になるように、
ロシアで名作はバレエになるのね…お国柄が出ますね(^.^) )
別の美人と結婚されてしまう、と聞いたような気がしましたが、
小説にはそれはなかったですね。別の作品と勘違いしたのかな。
そのせいかあんまりかわいそうだと思わなかった。

昔の小説というのは現在と常識がかけ離れていて面白いことが。
国民性の違いもあると思うけど。
アンナは作中、妊娠するのですが、父親は愛人です。
日本でも「源氏物語」で女三の宮がやっちゃった奴ですね。
旦那にも当然ばれている。
ここで旦那に許しを乞い正式な夫婦の子として育てるか、
生まれる前に駆け落ちしちゃうかだと思うんだけど、
自宅で産後の肥立ちが悪いからって夫に愛人呼んで
和解してくれと言ったりする。できるかいっ。

結局生まれてから駆け落ちして、残してきた旦那との間の
子に逢えないからって家に乗り込んでいったり。
どんなお屋敷か知らないけど、何つう女じゃ。
もう子供「お母さんは死んだ」って言われてたのに。
自分の欲求だけで徒に子供惑わすようなことするなよ。

しかも残してきた子恋しさであんまり愛人とこさえた
子は可愛がらない。生えている歯の数も知らないって、乳母だの
看護婦だの雇える貴族ならではだけど、あんまりじゃない?

眠れないからってモルヒネ、阿片(これは別の夫婦がお産にも
使っていた…事情を話せば薬局で売ってくれる。)飲むし。
非業の最期もひょっとして薬物中毒による妄想が
あったんじゃないのか?かなり常用していたみたいだったし。

本当に悪い女だよな、アンナ。でもそこがまた魅力的だったり。
魅力的だけどやっぱり関わるとひどい目に遭うよ、悪女。


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