よるの読書日記
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「アンナ・カレーニナ 下」(トルストイ/岩波文庫)を 読み終わりましたぁ〜。前にもちょっと触れた気がするが 最初から結末がばれている、あれです。 誰からも愛され尊敬される美しい淑女だったヒロイン・アンナが 不倫の恋に身を焦がし若い恋人と駆け落ち、 途端に社交界からは軽蔑され(当たり前だ) 我が子には逢えず(だから駆け落ちなんだってば) 夫からは正式な離婚を拒否され、やがては愛人の恋情さえも 疑い列車に身を投げる、というストーリーです。 バレエのあらすじでは(日本で忠臣蔵が歌舞伎になるように、 ロシアで名作はバレエになるのね…お国柄が出ますね(^.^) ) 別の美人と結婚されてしまう、と聞いたような気がしましたが、 小説にはそれはなかったですね。別の作品と勘違いしたのかな。 そのせいかあんまりかわいそうだと思わなかった。
昔の小説というのは現在と常識がかけ離れていて面白いことが。 国民性の違いもあると思うけど。 アンナは作中、妊娠するのですが、父親は愛人です。 日本でも「源氏物語」で女三の宮がやっちゃった奴ですね。 旦那にも当然ばれている。 ここで旦那に許しを乞い正式な夫婦の子として育てるか、 生まれる前に駆け落ちしちゃうかだと思うんだけど、 自宅で産後の肥立ちが悪いからって夫に愛人呼んで 和解してくれと言ったりする。できるかいっ。
結局生まれてから駆け落ちして、残してきた旦那との間の 子に逢えないからって家に乗り込んでいったり。 どんなお屋敷か知らないけど、何つう女じゃ。 もう子供「お母さんは死んだ」って言われてたのに。 自分の欲求だけで徒に子供惑わすようなことするなよ。
しかも残してきた子恋しさであんまり愛人とこさえた 子は可愛がらない。生えている歯の数も知らないって、乳母だの 看護婦だの雇える貴族ならではだけど、あんまりじゃない?
眠れないからってモルヒネ、阿片(これは別の夫婦がお産にも 使っていた…事情を話せば薬局で売ってくれる。)飲むし。 非業の最期もひょっとして薬物中毒による妄想が あったんじゃないのか?かなり常用していたみたいだったし。
本当に悪い女だよな、アンナ。でもそこがまた魅力的だったり。 魅力的だけどやっぱり関わるとひどい目に遭うよ、悪女。
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