| 2004年09月23日(木) |
責任転嫁バイオレンス |
何だか、やっぱり不調だなぁ…PC…。 ネットに接続すると、エラー起きたり落ちたり。 どうしたのよ、一体……。
木曜映画劇場にて『es』を観ました。 ものごっつ怖かったんですが。 ヘタなホラーより怖い! どうしてこんなうっかり底冷えしてるのか私は!! もっと心構えしてから観るんだった……! 1971年米国スタンフォード大学での心理実験中、実際に起きた事件が元になっているこの映画。 看守役と囚人役になってその心理変化を見るという実験の元、被験者が集められ、実験はスタート。 しかし、役柄と状況に少しずつ自分を抑えるブレーキがきかなくなって行く被験者達の間で、実験内容はエスカレート。 単なる「ゲーム」であったはずの牢獄の中のお芝居は、とうとう悲惨な結末へと至る。 そんなお話でした。 人間が抱え込んでいる様々な心の暗い部分が、じわじわと現実を侵食して行く様子は本当に恐ろしい。 人間って、権利の象徴である「制服」を着ることで、自分の責任を「制服」に転嫁し、普段なら行わないような暴挙に出ることがある、というのを、どこかで読んだ覚えがあるのですが、この映画はその事実を最も悲惨な形で証明しているようです。 と言うか、映画って言ったって実際に起きたことがベースなのだから、事実人間ってのは自分の責任を簡単に何かに代替させ、あっさりと残忍になれるのでしょう。 攻撃的・支配的になっていく看守役たち、観ている間は「てめえら何様なんだよコノヤロウ?!」と思いっぱなしでしたが、実際に同じ状況に立たされたら、私だって支配的に攻撃的になってしまうに違いありません。 こういう系統の実験でもうひとつ有名なのが「アイヒマン実験」ですよね。 被験者たちが生徒役と教師役に分けられ、生徒役の人間が問題を間違えるたびに、別室で教師役が戒めのために電流を流す、というアレです。 間違えるたびに電圧があがり、最高電圧では確実に人が死ぬ。 にも関わらず、全体の被験者のうちの半分以上が、最高電圧までスイッチをあげて電流を流したのだそうです。 まぁ、この実験では実際には電流は流されてはおらず、電流が流されるたび、生徒役(実はこちらは全て博士の助手)が叫び声や何やらを演技していただけだったわけですが、しかし、実際に電流が流れていたとしても、人は「実験」であることに責任を転嫁し、電流を流していたわけです。 この「アイヒマン実験」の名前はアドルフ・アイヒマン…ナチスの戦犯者からきてるそうで、これも要は人の責任転嫁による抑制能力低下の実験だったわけですよね。 人間の精神世界って、本当に恐ろしくて魅力的です。 考えてみれば、私が大好きな映画『CUBE』も、一種の「暴かれた心理世界」の映画ですね。 極限状態の中で、自分を抑制することが出来なくなっていく人間の話ですから。
ちなみに『es』の元になった心理実験についての裁判は、まだ終わってないそうです。 確かに、どういう判決を下したものだかすこぶる微妙な事件だもんなぁ……。
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