回 がらくた日記 回

2004年08月24日(火) 陰の如く雷の如し

相変わらず、ゲームに余念が無い我が弟。
私としては、正直「まあ自分の人生だし、後悔も納得も自分で取捨選択してみれば良いんじゃNAI?」くらいには思っているんですが、親はそれどころじゃないので必死です。
そりゃ、大学生か浪人生かプーか高卒社会人かの4択なわけですから必死にもなります。
と言うか、書き並べてみて私もちょっと笑えなくなってきました。(笑ってたんですか?)
周囲が何を言ったって判断するのは本人ですから、実質は無駄なのかもしれないですが、まあ発破をかけ続けてみましょう。
本人、超のんびりだから全然効果ないんですけど。(早速、無駄じゃないですか。)
それで、ですよ。
夕飯に回転寿司を食べに行った帰り、ちょいと近くのスーパーに寄ったのですよ。
弟は車内で待ってるってんで、私と父様と母様で。
色々と見ていたら、お菓子売り場でとても素敵な物を見つけたのです。
その名も


故事成語 はんこ付きストラップ!!


素晴らしく渋い商品です。
リンク先をご覧になっていただけると解りますが、売り切れ状態になってるくらいには人気商品らしいです。
買ってるのは絶対に食玩好きの大きいお友達でしょう。
どこの幼児がこんなの買いますか。
にも関わらず、これがデカレンジャーの食玩の隣に並んでいる地元スーパー。
明らかに商品陳列大間違いです。
並べ直してください。
でもまあ、私は大きいお友達ですのでこういうの大好きです。
大喜びで父様と見ておりました。


高時:「父様!面白いよこれ!故事成語のストラップだって!」
父様:「ほおぉ、面白いなぁ!」
高時:「温故知新、臥薪嘗胆…おお、たくさんある〜!」
父様:「切磋琢磨に大器晩成…他には何かあるのか?」
高時:「何かいっぱいあるよ? ……! 父様!!」
父様:「おう、どうした?」
高時:「これ!この故事成語が最高だよ!弟に買って行ってやろう!」
父様:「どれだ?」
高時:「これ!背 水 之 陣!!」
父様:「あはははははははは!ぴったりだ!!


満場一致で購入決定です。
素晴らしいじゃありませんか、何て適切な故事成語!


父様:「四面楚歌とか、あったら良いのにな。無いみたいだなぁ。残念!」
高時:「周囲敵だらけね。良い故事成語だけど、商品例を見る限りは無いみたいね。んー、私も何か1個欲しいなぁ。どの故事成語が私にあってる?」
父様:「そうだなぁ…あぁ、天真爛漫とか?」
高時:「え、私ったら純心な感じ?」
父様:「と言うか、爛漫すぎてお前はどこのお姫様だって感じがな。朝いつまでも寝てないで、少しは家の手伝いしろな、あいか」
高時:「………ごめんなさい………


怒られちゃった☆(反省しやがりなさいよ。)
でもね、肝心の商品が無かったですよ、天真爛漫のストラップは。
商品例には載ってたんですけどね…残念。
私は結局、柔能制剛のストラップを買ってきました。
「柔(じゅう)(よ)く、剛を制す」ですね。
弱い者が努力次第で強い者にうち勝つこと。
私、か弱いですから。(おこがましい。)
所で、今回初めて知ったんですが、これって柔道の極意だと思いきや、実は元々の出典は太公望の兵法書『三略』からなんだそうです。
知らなかったよ…。
で、他にも色々と故事成語がありました。


高時:「ねー、父様。この故事成語さ…」
父様:「どれ?」
高時:「これ。風林火山」
父様:「あぁ、武田信玄の」
高時:「これって故事成語になるの?私はてっきり、武田軍のキャッチフレーズだとばかり…」
父様:「キャッチフレーズってお前。でも確かになぁ、故事成語って感じはしないなぁ…」


所がどっこい、調べたらちゃんと故事成語でした。
風林火山の全文は「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山」となるわけですが、これって元々は孫武の兵法書『孫子』からひいた言葉なのだそうです。
『孫子』では以下のように記されているそうですよ。


故に兵は詐をもって立ち、利をもって動き、分合をもって変をなすものなり。

故にその疾きことは風のごとく、
その徐かなることは林のごとく、
侵掠することは火のごとく、
動かざることは山のごとく、
知りがたきことは陰のごとく、
動くことは雷霆のごとし。


郷を掠めて衆を分かち、
地を廓めて利を分かち、
権を懸けて動く。
迂直の計を先知する者は勝つ。これ軍争の法なり。



緑色の部分が、元になった文ですね。
そこを見る限り、「風林火山」の他に「陰」と「雷」もあるみたいなのですが語感の問題で省かれたのでしょうか。
気になる所です。
とまあ、計らずも故事成語の成り立ちに思いを馳せることになりつつ、背水之陣は無事に弟の手に渡りました。


弟君:「何、これ?」
高時:「故事成語のはんこ付きストラップ。お前のは背水之陣の印だ
弟君:「背水之陣?ぴったりだな
高時:「自分で言ってんなよ。所でお前、まさかとは思うけど背水之陣の成り立ちと意味くらい知ってるよな?受験生として、故事成語・格言は押さえる所だし」
弟君:「え?…うんと…」
高時:「言ってみ?」
弟君:「背水之陣ってのは…」
高時:「おう」
弟君:「RPGとかで、防御力が減る代わりに攻撃力が上がる技の…
高時:「呪われろ
父様:「な…背水之陣すら解らないのか?!」
高時:「駄目だ…こいつ駄目だ…。背水之陣って言うか、背水だけだ…。それどころか、いっそ入水だ…」


退路が無いのに逃げようとして自害ですね。
本気でギリギリです、うちの弟。
これで第一志望が受かったら、もの凄い奇跡です。
青銅聖闘士になれるんじゃないでしょうか。
半年後の受験が楽しみです。


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高時あいか
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