体位
 しお



 不可能

携帯のバイブのかすかな音が 体の力を抜いたときに部屋の隅から聞こえていました。
きのうも そのまえの日も 頭の隅でバイブ音が聞こえていました。 
はるちゃんの苛立ちが 目にうかびました。 

鏡のまえで、わたしは、享とキスしたり、抱き合ったりしていました。
自分の姿を見ることで、わたしは何かをわかりたかった。

わたしははるちゃんを傷つけたいのか、
自分を最低な人間にしたいのか、
うざったいくらいの愛情を欲しいのか、
さみしいからこうしているのか、
この人と離れたくないのか、
この先どうするのか、
どうなってしまうのか、
友人を失うのか、
どうしたいのか。

鏡の中の自分を見たってわかるわけもなくて、

素直に生きていくことと、
誰かを悲しませないことは、
私にはいっぺんにできないのかもしれない。

2004年08月23日(月)
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