| 2007年02月27日(火) |
唐津市民劇団「鯛女房物語」 |
というわけで、25日にみた芝居の感想だ。
鯛女房物語は地元唐津に伝わる民話だ。 基本的にダメダメちゃんだった小料理屋の主人太一が釣った鯛を料理しようとした時に、鯛が助けを乞い、海に逃がした。 その後、鯛が人間になって太一のもとに現れ、小料理屋を手伝い繁盛する。 しかし、鯛だとバレた時に、また海に帰ると言う物語だ。 そう、まるで鶴の恩返しのようなお話。
これを唐津の市民劇団が上演。 演出は地元で割と有名な人らしい。
この公演は2部構成で、第1部は人形浄瑠璃の公演だったが、あまりの退屈さに意識が遠のいた。 そのため、あまり細かいことは覚えていないが、要するに人形の動きというか感情の出し方というか、そういうものがもう一つだった。 長崎県の無形文化財に指定されているようだが、無形文化財に指定するならクオリティーに口出ししてもいいのではと、ちょっと思うのだった。
そして第2部。 鯛女房物語。 前半から中盤にかけては、新劇系のストレートプレイ中心の構成で、後半のクライマックスシーンが新劇をベースに浄瑠璃風の構成。
見終わって思ったことは、いろんな人がいろんなことをいいながらこの芝居を作っていったんだなと感じた。 出演者がいろんな劇団だけでなく、浄瑠璃の人や保育園児、果ては市長まで出演している。 これで健全な稽古状況を保つには相当の精神力が必要だ。 演出が投げた部分と手をかけてあきらめなかった部分が見て取れた。 しかし、この日の荒れた客席を最後には集中させるだけの力のある芝居をやれたというのは賞賛に値する。 そう、客席がひどかった。 この手の芝居はやむを得ないにしても、しゃべり続けるじいちゃんばあちゃん、騒ぎ続けるこども、そしてそれを制御できない親。 これだけの悪条件がそろい、客席内ではとても芝居を見る雰囲気ではない。 その中を、なんとか最後まで集中力を切らさずに芝居を続けたことは、これは凄いことだと思う。 それに力のある人が演出したんだなあと、感心させられたのだった。
ちなみに、知り合いの唐津市職員さんについては、翌日車の中で話をしたので、ここには書かずに置くとする。 でも、予想していたよりもいい出来だった。 それは言える舞台でした。
唐津まで行ったかいがあった。 よかったよかった。
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