| 2006年11月18日(土) |
演劇集団ローカルスーパースターズ/ロキャスタ第3回公演「LIFE IS DERBY」 |
駅伝の代表選手練習会でタイムを読む時に久しぶりに声を出したら、手術したせいなのか、今まで聞いたことのないような通る声が出て、とっても幸せな気分になった。 また声をつかったことをやり始めてもいいのかな、なんて思ったりもした。
さて、この日は縁あってお誘いをうけたミュージカルを見に四日市まで、仕事を終えたあと車を飛ばした。
四日市市文化会館第2ホール
このホールは12年ぶりに訪れることになった。 12年前は劇団Beans旗揚げ前に同じ演目をやる劇団があったので、どんなもんかなと見に行って、あまりの悲惨さに大ショックをうけて帰ってきたホールだ。
会場に入ってパンフを見て驚いた。 数々の広告類はうちの劇団でもやってきたことなので、それはよくあることなんだけれど、それぞれの広告に「チケット半券でデザートサービス」とか「チケット半券でオイル半額」とか書いてある。 これは凄いことだ。 なかなか出来ることじゃない。 制作チームの強力さが伝わってくる瞬間だ。 会場は600名収容の中規模ホール。 ここが8割がた埋まっている。 これが2日間4回公演。 ということは2000名動員!! これもまたビックリする数字だ。 ん?でも待てよ。 30万都市で2000人集めるのだったら、3万人の扶桑町なら200人てことか。 それなら集めたな。 一時は500人くらい集まったしな、と、ちょっとした負け惜しみを思いながら、本番を待つ。
本番は、、、うーん。 この際はっきりいっておくと、ミュージカルは「ダメ」なのです。 何故歌うのか、何故踊るのか、がよくわからない。 そして最も大きい理由は気持ちの動いていくスピードとテンポが歌や踊りがあるために遅いのがじれったいのです。 要するにミュージカルという様式が背負った宿命の部分だと思うのだけれど、もう一つ好きになれない。 それに別の理由がある。 劇団の主宰者だった時にいろんな人を「芝居やろう!」と誘うと、「ミュージカルなら」と言われ、撃沈したこと数知れず。 「芝居見にこやあ」とチラシを片手に誘っても「ミュージカルなら」と言われ、撃沈したこと数知れず。 そんなこんながあって、ミュージカルはもう一つ好きになれないのです。 でも不思議なもので同じように様式美を使う舞台芸術で歌舞伎は大好きでよく見たり、自分の芝居の様式に取り入れたりもする。
と前置きが長くなり、肝心な今回の公演について書かねばと思う。
今回の場所はつぶれかけた地方競馬場。 幕が開いた時に、あ、あの時一度だけ行ったの上山競馬場だ、と思うほど素晴らしいセットだった。 そこで、もう亡くなってしまった競走馬を巡る物語が進行していくわけだけれど、芝居の序盤に競馬のロマンについて語っていたが、一攫千金の話に終始していてどうにもお話に入っていけなかった。 それはオイラ自身が競馬にどんな魅力やロマンを感じたかと言えば、「馬が走る」その姿だ。 この素晴らしさは何物にも代え難いし、競馬場に足を運ぶ動機には十分すぎるのだ。 それぐらい素晴らしい。 そう思っているところに、本筋ではないところだが、自分にとっての大きな疑問が飛び込んできたので、もう一つお話に入りきれなかった。 それにやっぱりミュージカルの宿命なのか物語のスピードが遅い。 休憩前の前半戦は自分にとっては、ここの劇団はこんなメンバーでこんなお芝居をしますよ、という顔見せ的なものになった。 役者たちは頑張っていたし、演出がその一人一人を大切に思ってるんだ、というところはとても良く伝わってきたし、芝居を見て取れるところでもあった。 ここの役者たちは幸せだなあと、素直に思ったりもした。 ただ、自分がこの劇団の演出なら本番中気が遠くなるかもしれない音響のミスが随所に見られたのが残念だったかな。 マイクの本数が多い分、管理も大変だとは思うけれど、もうちょっと頑張ってほしかったかな。
後半タップダンスから始まったけれど、これがなかなかいい味を出していた。 お話の展開としては、泣かせるところは泣かせに行きますよ、ほら泣いてください、という親切な展開と、盛り上げるところは盛り上がりましょうと言う、これもまた親切な展開で、客席内はなかなかいい感じだったと思う。 後半戦も役者たちは頑張っていた。 ここにもやはり演出の役者に対する愛情が端々にみてとれるのだった。 どの役者もお客さんの記憶に残ってほしいという願いが、立ち位置や出番やキャラ設定の端々に見て取れる。 何度も繰り返すけれど、役者はこの演出で幸せなんだなぁと思う。 ただその分、歌やダンスの時を含めて場面の本筋をどこに持っていけばいいのかと、お客さんとしての目線で見ようとすると、舞台上を目線がさまようしかないシーンがあったりする。 でもこれはどっちを取るか演出の選択なわけで、物語よりも役者を取った結果こうなっているわけで、(おそらくだけど)その結果が大量の動員と、大量の広告につながってきているんじゃないだろうかと思うのだ。 そういう意味で言うと、四日市にあって大成功している劇団だと思う。
・・・いかん、完璧に芝居関係者の感想になっている、、、
退院後の社会復帰第2弾がこのミュージカルな訳で、四日市まで無事行って帰って来れて、そういう嬉しさもあり、そろそろ芝居に飢えはじめている自分自身の衝動もあり、なんだか長文になってしまったけれど、「お客さんの目線で」まとめるとするならば、、、
馬は走っている姿が感動的だ、そして、芝居も然り。
そんな感じのミュージカルだった。 そして同時にオイラのミュージカル「ダメ」はまだまだ続くのだった。 でも、見に行かないということではないです。 いつか「ダメ」を払拭してくれる「何か」に出会えたら幸せだと思うので。
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