本番前最後の稽古が終わった。 目標まで後一歩のところまでやって来た。
いつもこの日を迎えると、本番を迎えられる気持ちでワクワクして仕方なかったが、今回はどうも違う。 同時に、稽古が終わってしまって寂しい気持ちが残っている。 自分でも何故だか分からない。
強引に分析すると、稽古場の空間が楽しかったのか、それとも、日々みんなが成長していく姿を見ることが出来るのがこれでいったんおしまい言うことだからなんだろうか。 何か、大事に育てた娘を嫁にやるようなそんな心境だ。
この日を向かえ劇団員向けにこんなメールを送った。
「このメールを目にしているあなたは、今、何をしてますか? 今、何を考えていますか?
本番に向けて虎視眈々とうちに秘めた闘志を暖めているんですか? 優れない体調と戦っているんですか? 仕込みの段取りで頭がいっぱいになっているんですか? 明かりで芝居をもりたてようと思っているんですか? ただただまったりしているんですか? 不安に押しつぶされそうになっているんですか? 二日酔いで頭がガンガンしているんですか? 芝居なんかするんじゃなかったと後悔しているんですか? ここまでこれたことを仲間に感謝しているんですか? 兼松のバカ!と心の中で叫んでいるんですか? ギャグを考えてほくそ笑んでいるんですか? プライドを保てなくてへこんでいるんですか? 芝居が出来る幸せをかみしめているんですか? 音をうまく出そうと思っているんですか? なりたい自分となれない自分とのギャップに苦しんでいるんですか? 打ち上げで幸せなお酒を飲んでいる自分を想像しているんですか? もっと稽古がしたかったと悔やんでいるんですか? 目の前の仕事に追い立てられて、こんなのんきなメールを送ってくるんじゃない!と、カリカリしているんですか? 恋人のことを思っているんですか? 家族のことを思っているんですか? 自分のことを思っているんですか? 仲間のことを思っているんですか? ・・・・ひょっとして、僕のことを考えてくれてるんですか?(笑)
僕が今あなたに思うことはたった一つです。 本番の舞台で、その瞬間空間を共有できた人たちと、ここまでたどり着けたいろんな事に感謝しながら、あなたが精一杯生きている証を見せてほしいと。 そう願っています・・・・」
明日から夢の時間が始まる。 この時間をとても大切な時間にしたいと思う。
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