逸話の一つにこんな話がある。
昔々、太陽と月は兄弟で、月も太陽と同じように光に満ちあふれ一緒に地球を照らしていた。 ある日のこと月は兄である太陽に「毎日地球を照らしているのに人間たちだけが感謝してくれない。いっそのこと人間たちを焼き殺してやる。」といった。 太陽は「そんなことはない。彼らなりに私たちに感謝しているではないか。」と月をなだめようとした。 しかし、月は人間達を襲おうとした。 「やめないか!妹とて容赦しないぞ。」と太陽が怒鳴ったとたん月からまばゆい光が消え失せて、うっすら光るだけになってしまった。 月は大いに悲しんだけど、太陽は優しく語りかけた。 「そんなに泣くんじゃない。おまえは私がいない夜の間地球を照らしておくれ。人間は闇が嫌いだからきっとお前の光を見て感謝するさ。」 それ以来、太陽は昼を、月は夜を照らすようになった。
夜空を見上げる度、空にポッカリ浮かぶ月。 時にとても悲しく切なげに見えるのはその所為か。 だけど、真っ暗闇になりかねないこの世界をほんのりと優しく照らしてくれる。 ますます月が好きになっていくのだ。
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