兼松孝行の日々つれづれ

2002年01月05日(土) 年賀状

この時期いろんな人からいろんな年賀状が届く。
昔の仲間、高校の仲間、大学の仲間、仕事の仲間、今の仲間、恩師・・・・

年賀状で懐かしい名前を見る度に、共に過ごした時間がフラッシュバックする。

ある年賀状に
「おまたせしました。3月に結婚します。」
と。

こころなしか肩の荷がおりたような気がした。

彼女とは大学時代を共に過ごした仲間である。
とても素敵な人で、長い髪でチャーミングという言葉がぴったりの人だった。
そして古臭い言い方だけど、「憧れ」の人だった。
共に時間を過ごしていく中でいつしか気持が動いている自分に気がついた。
でも「憧れ」という妄想は自分の中で勝手に壁を作るらしく、今の自分にはきっと
つり合わない人なんだろうとひとり勝手に思い込んでいた。
彼女もきっとそう思っているに違いないと。

しかし、そんな自分がバカだった。

暫く時が過ぎ、違う人と付き合いはじめた。
そのことを知った彼女は何年もかけて伸ばしてきた髪をバッサリと切ったのだった。
薄々は感じていた癖に、本当に気持に気付かなかったバカな俺がいた。

知らないものの強みなんだろうか、卒業してからも時々彼女に電話したり故郷まで遊びに行って会ったりもした。
でもそんなあるとき、もう時効だと思い、とある空港で飛行機を見ながら質問してみた。
そしたら、思ったとおりの返事が返ってきた。

彼女に幸せな話がないのは、自分のせいなんだろうか?
あの時のあの発言で、あの時のあの行動が彼女を傷つけたんじゃないだろうか?
そんなことを悶々と考えたりもした。
♪あえない時間が愛育てるのさぁ〜、という歌があったが、あわない時間は妄想を育てるようである。
本当のところはわからない。

でも、今年の年賀状で幸せな報告が聞けてなんだか嬉しくなった。

今だから言える話だけど、もしも大学時代お互いの気持を打ち明けあっていたら、きっと今はその人と暮らしていたんだろうなあ、なんてことを思った。


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