幸せ記録帳
涼香



 スーパーのお菓子売り場

 スーパーのお菓子売り場。
 そこは今でも夢が並べられている場所だと思う。

 思い返せば、小学校時代。
 遠足の前日には、ほとんどの子がお菓子売り場や駄菓子屋で遠足のお菓子(上限500円程度・笑)を手にとって悩んでいた。
 マーブルチョコや、占い付きのチョコ。
 梅干に、あわだまに、ヨーグルトに、うまい棒。
 友達と交換することも考えて、自分だけしか食べられないものは買わなかったと思う。人のことも考え、自分の食べたいものも考え。
 まるで、宝物を持ち帰るのに全部は持って帰れないから、どれにしようか悩んでいるのと同じくらい、あの頃のわたしにとってお菓子は素敵なものだったのだ。
 今考えると、遠足のお菓子を自分で買うことは、いろいろと人生経験を味わうことが出来るのかもしれない。
 また、覚えている中で、一番古い買い物がお菓子だったことを考えても、わたしの子ども時代にスーパーのお菓子売り場は欠かせないものだったことになる。

 もう遠足のお菓子を買うことのなくなった現在。
 わたしはそれでもお菓子売り場で足を止める。
 お子様用のカゴの中にお菓子を放り込む子どもたちに混ざって、懐かしいお菓子や新商品を手に取り、買い物途中のカゴに放り込む。

 あの空間は、やっぱりわたしにとって「夢」の空間なのだ。
 どの棚を見ても、食べたいと思う大好きなお菓子で埋められていて、そしてその中で今日はどれを食べてみようかと悩むあの一瞬。
 それだけは、きっとどれだけ年をとっても止められない行動のひとつだと確信している。

 幸せをありがとう★

2004年05月19日(水)
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