月一度の会議があった
長年通所を利用しているとある利用者が入院した この半年で体重の減り方が著しく、目に見えて痩せて行く ここ一月では椅子に座っている時も、背もたれにもたれかかりややもすれば前にずり落ちるのではないかと思われるほどだった 内服薬をこちらが預かり配薬管理しようとしても、断固拒否して怒り狂っていたのがまるで幻の如く、持参忘れが始まった 昼食も主食と漬物しか手をつけず 既往歴にうつ、外傷性頚椎症、腰痛などがありもともと気分にムラのある人だ 毎月の体重測定で、−2キロだったが今月の測定結果は前月比0 介護職員は、体重が減らなくなったから家では食べてるんでしょうねと口にした 低栄養からくる腹水貯留疑い ケアマネに連絡した 腹水が貯留すると、呼吸するのに必要な横隔膜の動きに支障が出る そうなると呼吸していても不十分となり、ある数値に異常がでる事が多い 静脈血酸素飽和度と呼ばれるものである 測定した所、それには変わりなかったが私の予測は的中していた 本日の会議で、的中してさすがと通所の責任者が口にした そう、看護師は病気を的中させて当たり前 はずれれば、なあんだ大したことない、信頼できない などと軽くあしらわれる そうなると、目の前で意識障害を起こした利用者に対して危険対策を取る場合も危機感が薄くなり、非協力的になりかねない 去年独断で緊急搬送した利用者の時は、おおげさなと誰もが口にした けれど、その利用者は心房細動を起こしていて搬送先でペースメーカー挿入の為に緊急手術を受ける事になったのだった 頭痛が、いつもの片頭痛ではない時もある 肩の痛みが心筋梗塞の放散痛な事もある そう、何かしらの緊急疾患が表現する症状を敏感に察知するのは何よりも当人なのだが、いかんせん高齢者は自覚症状に乏しかったり過敏すぎたり、はたまた認知症で自己表現できなかったりもする
病院に居れば、検査を受けて診断が下り、治療となるのが手順 しかし、ここには体温計と水銀式の血圧計とそして酸素飽和度測定器しかないのだ 装備を最低限にして、戦場に赴いてしまった兵士のごとくである それに一人で向かわねばならないというこの過酷さは、介護職員にはわかるまい 同じ職場で働いた事のある旧友だと思い、今でもそうあって欲しいと願っていた相手が知ったかぶりで意見しているのを見ると、無知を知るという事をいつになったら学ぶのかと少々腹立たしくそして、残念に思う 違った視点であったとしても、近い高さではあればいいのにと期待した しかしそれは20年経とうとも、無理な相談だったのだとあきらめがついた そして、思い出すあの時、知り合いと友人以上の間にならなかった理由を それは、今はもう覚えていない記憶の中に今回の事のような断片を感じさせることがきっとたびたびあったのだろう 少し離れた立ち位置から、己はやってもいない事を声高にジャッジしてしまうその批評家気取りな気質をどこかで嫌悪ししかし、私の仕事に対する姿勢を高く評価してくれている所は捨てたくなくて、捨てきれなくてそのポジションとしての付き合いのみ存在させていたのだ 長の時を要したが、あの時の私の選択に間違いはなかったと確信し、距離を取るべき人物であると明らかに認識できた これは、自分を進化させるための一歩でもあったのだ 気付けた事に深く感謝する
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