つれづれ日記。
つれづれ日記。

2012年01月06日(金) 白花(シラハナ)への手紙。5

 白花(シラハナ)はティル・ナ・ノーグのあるフィアナ大陸の遥か東に浮かぶ、小さな国。小さいけれど、農作物や手先の器用さは誰にも負けない。そのいい例がシラハナの菓子や祭りの時に打ち上げられる花火。
 わたしのお父さん、イザム・ミヤモトはシラハナの花火に魅せられて故郷のティル・ナ・ノーグから単身ここまでやってきた。その距離は船で一週間。 だからわたしがティル・ナ・ノーグへ行くためには船にゆられて一週間かかる。
 海は大きくてすごくて。
 もっと遠くを見ようと身を乗り出そうとすると、乗客の一人とぶつかってしまった。
 ばらばらと落ちる荷物を慌てて拾い集める。
「すみません」
「オレこそよそ見してたから」
 そういって体を低くする。どうやら一緒に拾ってくれるらしい。
 荷物はそんなに多くはない。最低限の衣類に地図。用心のために簡単な保存食はしのばせておいた。 
「君ひとりかい?」
 声をかけてきたのは藍色の髪に紫の瞳。背中に大きな袋を携えた男の人だった。
「そうです。お兄さんも一人なんですか?」
 右を見ても左をみても人はいなくて。訪ねると男の人は嬉々ととして答えた。
「オレは気ままな一人旅さ」
 旅はいいよね。人を開放的にさせる。続けて言われて、つられて笑みを返す。それは、わたしにもなんとなくわかる。
「これ、何?」
 そんなのわたしが知りたい。
「親からの餞別(せんべつ)らしいです」
 お兄さんが拾ったもの。それは扇子状に開いた道具だった。






過去日記
2011年01月06日(木) 描写力がつくかもしれない30のお題」その4
2010年01月06日(水) 「文章修行家さんに40の短文描写お題」その3
2009年01月06日(火) 
2007年01月06日(土) 人気投票最終結果(仮) その3
2006年01月06日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,87UP
2005年01月06日(木) 暗いというほどではないのですが
2004年01月06日(火) SHFH9−5
 < 過去  INDEX  未来 >



香澄かざな 




My追加