つれづれ日記。
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2010年06月12日(土) 委員長のゆううつ。その2−14

「お父さんをぶん殴るには居場所をつきとめないとね」
 確かに筋は通ってる。でもそれですぐ見つかれば苦労はないし、そもそも母親が捜してすでにぶんなぐってる。
「心あたりはあるんですか?」
「あるよ」
 あっさり言われた。
「どこなんです」
「時の城」
 またわけのわからない単語が出てきた。今度はご近所の土産物屋にもない名前だ。
「その時の城とやらは、どうやったら行けるんです?」
「教えてもいいけど、しーちゃん一人で行くつもり?」
 図星をつかれた。
 この面々を信用してないわけじゃないけれど、顔を合わせたのはつい先日で。ここで手間取ってるよりも直にのりこんだほうが早いんじゃないかと思ったのも事実だ。なにしろ母曰く『ふらっと出てきてふらっといなくなる人』らしいから。今だって本当にそこにいるかも怪しい。
「気持ちはわかるけどさ。ちょっと落ち着きな」
 マリーナさんにたしなめられるも憮然としない。
「簡単に行けるところじゃないからね。ちょっとした手順をふまなきゃならないのさ」
 そうなの? と叔母さんを見ると紫色の瞳はにこにこと微笑んでいた。
「お兄ちゃんはあれでも神様だったから。でもわたしが着いてればだいじょうぶ」
「そうそう。急いてはことをしそんじるってね」
「前からおもってましたけど。先輩ってやけに日本のことわざ詳しいですね」
「そりゃあ、ぼくって勤勉家だから」
 一体どこまで本当なんだか。 






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