つれづれ日記。
つれづれ日記。

2004年03月04日(木) SHFH10−5

SkyHigh,FlyHigh!

Part,10−5

(ここはどこにでもある名もない湖。砦はどこにでもあるけれど決して人の目に触れることはない。それなのに私とあなたはこうして話をしている。不思議なものですね)
 まりいが絶句する中、水の精霊は淡々と語った。
(あなたはこの世界の人間ではない。少なくともこの世界で育った人間ではない。それなのに、あなたを見ているとどこか懐かしい気持ちになる。なぜかしら)
「……どうして、そう思うんですか?」
 これは夢じゃないの? なんで精霊がそんなことを知っているの?
(私は水の精霊。私たち精霊には人の心というものがわかるのです。……あなたは今、迷っていますね)
 精霊の声に、まりいは押し黙るしかなかった。

 確かに。まりいは迷っていた。
 眠っていたはずなのに気がついたら目の前に見知らぬ男の子が――ショウがいて。シェリアという公女様と共に旅をすることになって。
 だけど――
 この精霊は、人の心がわかると言った。それなら――
 意を決してまりいは精霊にたずねた。
「ここは、この世界は――私の『夢』なんですか?」






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