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赤岳報告・山頂に向けて




さて、行者小屋を後に赤岳山頂を目指します。山頂に通じる道は地蔵尾根を行くルートと文三郎道をゆくルートの二通りがあるのですが、ここではガイドブックに従って地蔵尾根を行くことに。最初は木々の間を行く、さすがに山頂を目指すだけあって勾配きついです〜、という感じの道。山頂で日の出を見てきたと思われる登山者の方々が何名か、登りの私に道を譲ってくださいました。

しばらく登り続けるうち、左右が切れ落ち気味の、ちょっと怖い岩場へと出ます。いきなり木立がなくなるんだもんなーっていうか、森林限界ってここなんだろうなー、としみじみ実感。

目の前の岩場にはハシゴやクサリが取り付けられています。私の中の山登りスイッチが、岩登りモードにパチンと切り替わった模様。

最初は右手でクサリを確かめつつ登っていたのですが、クサリのそばに適当なとっかかりがなかったのと、腕の内側の肉をクサリと岩の間にはさまれて痛い思いをしたので、クサリを放して適当に岩をよじ登ってみました。はっきり言って楽しいです。やっぱり好きなんだなこういうの。

クサリ場をぬけると次はハシゴ。この辺まで来ると右手にはもう稜線の上に建つ展望荘が見えていました。下を見下ろすと長者小屋がマッチ箱のように小さくなっているのがとても嬉しく。

少しの間立ち止まり休憩をしてまた岩場をのぼってゆくと、ひょこっというかんじで稜線到着。赤岳山頂はもうすぐそこに見えていて、後は稜線の道をひたすら進むだけ。その稜線を展望荘に向けて歩いている途中、下界ではたぶんありえない、ちょっと面白い体験をしました。

左側の山肌からはその時、すごい勢いでガスが上がってきていたのですが、そのガスというか濃い霧、なんだかすごく生あったかいのです。なので私の左腕は奇妙なあたたかさを感じているのですが、右腕は山の朝のまだ冷たい空気にさらされたまま。私を中心に、左と右で気温に差があります。ものっすごい妙な感じ。

雷雲って確か、暖かい湿った空気と冷たい空気がぶつかって出来るんじゃなかったでしたっけ?っていうことは、今私、雷雲が発生するその現場に遭遇しているってこと???なんだか理科の実験を実地でやっているようでちょっと面白かったですが、山の雷は怖いからな。ささっと登ってとっとと下らないと、というわけで多少足早に道を急ぎました。

展望荘到着。小屋の裏手で赤岳を眺めながらおにぎり休憩。お茶を飲んで一息ついて、ガレている斜面に備えます。あそこまで登りきったら少し下って、もう一登りで山頂のはず。ここから赤岳頂上小屋までのコースタイムは20分となっているのですが、そんな短い時間でいけるのかな。

登り始めてみると、ただ単に一面ガレているように見えた斜面にも、一応のルートがあることがわかりました。やがて出てきた岩場を前にして後ろを振り返ってみると、さっきおにぎりをぱくついていた展望小屋が遠くなっているのがわかります。
途中、中岳から阿弥陀岳に向かう稜線をはっきり見ることが出来ました。もし時間があれば、阿弥陀に行ってそこから行者小屋に下りたいのですが、無理かなー。

頂上小屋が近づくにつれ、斜度はどんどんきつくなっていきます。そんな登りの途中でも、岩の陰に可憐な高山植物の姿など発見すると、頑張らなくっちゃという気持ちがわいてきて、やっぱり花の季節に登るってとても楽しいですね。




途中、岩壁の前でルートを見失い、もしかしてこの岩登るの?クサリくらいつけとかないと危ないじゃん、という場所をよじ登り始めたところ、私の下を下山者が通りかかり、あ、あっちに道あるんだとすごすごと岩を降りるちょっと危ういシーンもありましたが、無事赤岳頂上小屋に到着。

赤岳には北峰と南峰があり、頂上小屋は北峰に建っています。お天気がよければ展望小屋や横岳を臨めたのですが、横岳方面、かなりガスってきちゃってます。テラスで休憩中の登山者の脇を横目で通り過ぎ、北峰へと向かいます。休憩は山頂標識の下で!とにかくあともう一登り!!!

2004年08月18日(水)
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