Web Sequence

go to BBS







赤岳報告・下山





08:40、赤岳山頂到着。ですが、ガスっていて展望があまり良くなかったのが残念。あと30分くらい早く着けば、360度ぐるりの眺めを楽しめたかもしれません。まあいいさ、また来るさ。というわけで、とっとと下山開始です。下りは文三郎道を使いましたが、先刻登ってきたのに負けず劣らずの急な岩場です。少し降りたところでガスが晴れ、遠くに人里など眺めることも出来ました。

鎖が途切れることのない岩場を過ぎると、次に出てくるのは小石がごろごろした下り…。下っても下っても下っても、足下が悪いです。途中2回くらい、どてっとしりもちをつきました。振り返ってみると、赤岳山頂は大分遠くなっていますよ、淋しいなぁ。

このざれた道を下っている途中、遠くの方にゴロゴロと雷鳴が響いてびっくり!!!近くはなさそうですが、時計に目をやると、まだ朝の9時を少しまわった頃で、雷が鳴るには、時刻が早過ぎやしませんか?

ですが、お天気に文句を言ってもしょうがありません。落雷が怖いので下山の足を早めたい、のはやまやまなのですが、このザレ場で急いでねんざなどしてしまったら元も子もないし、っていうか、山、降りれなくなっちゃうじゃん……。などと思いながら慎重に下っていると、下から登ってくる登山者の中に、なんとなく見覚えのある男性二人連れの姿が。

「こんにちわ。朝方は道を教えて頂いてありがとうございました。もう下ってこられたんですか?早いですね」

礼儀正しく声をかけて下さったその方は、暗い林道で私に道を尋ねた、白いセダンの男性でした。いえいえ、決して早くないですよ。ほぼコースタイム通りに歩いてますよ。

私より、多分ちょっと年上の男性の二人連れですが、どうやらこの登りで息が上がってしまっているよう。
その方が次に口にされた一言は、

「あの〜、登るのって、楽しいですか?」

………楽しくなきゃ、一人で山に登りになんて来てませんよ。と、本当は言いたかったんですけどね。

「多分頂上に着いたら、きっと登って良かった、って思いますよ」

という言葉を残すに留めました。うーん、この先のザレ場もまだ厳しいですけどね。鎖の岩場も残ってますけどね。えーと、その先の下山道もまだ長いですけどね。大丈夫かな、心配だな。

と、ここで思い出したんですが、山に登り初めの20分くらいでザックおろし休憩をしていたこの二人、もしや、本気で疲れてあの時点で休憩をとっていたのでは?えーと、私の記憶によるとあれはまだ緩やかな山の道だったはずなんですが…。

ともかく二人の健闘を祈りながら、ザレ場を覆う長い階段を慎重におりて1時間ほどで行者小屋到着。なんだか、朝と違って人が多くてにぎやかです。山の上の方ではまだ時折ごろごろと不穏な雷の音がしていて、そのうちにぽつぽつと雨が降ってきました。

休憩を早めに切り上げ、雨と雷にせきたてられるように下山を急ぎます。って言ってもまだ10:00過ぎくらいなのですけどね。

下るうち、だんだんと雷の音は遠くなり、日射しも戻ってきました。12:00少し前に美濃戸山荘到着。ソフトクリームでお疲れ様と自分をねぎらって、林道歩きの1時間に備えます。

暗い中を歩くのが怖かった林道も、明るくさえあれば全然何ともありません。とにかく歩いて、バスターミナルがある八ヶ岳山荘前に到着したのは午後1:00を少しまわった頃でした。行者小屋からの下りを頑張ったので、コースタイムより若干早めに行動を終了することが出来ました。

立ち寄り湯でゆっくりしてから向かった茅野駅では、落雷の影響で、ダイヤが大幅に乱れていました。キャンセルの出ていたあずさの指定席をGETして、電車を待つこと1時間。やっとあずさが到着して、帰路につくことができました。

電車の中でほっと一息つくと、あの男性二人組が無事下山できたのかどうかが、妙に気にかかります。山が嫌いになっていなければいいのだけどな。

2004年08月19日(木)
FIRST NEW INDEX MAIL BBS