野生の森
高瀬志穂



 忘れな草。15

「やっと目が覚めたか。覚めたならとっととその腕を離せ!!!」

 耳もとで聞こえる声を無視し、アスランは口元を緩めてその茶色のさらさらの髪の毛の持ち主を覗き込んだ。

「キラ、おはよ・・・。」

 そういうとほんの少しまぶたが動き、そしてゆっくりと開かれた。

「んっ、アス・・・おはよ。」

 寝ぼけているのか、一番最初に見たのがアスランだったからなのか、キラは朝から最上級の笑顔をアスランに見せた。そのまま二人の顔の距離が近付こうとした瞬間、その甘い時間はかき消された。

「って、お前私の話を聞いてないだろキラを離せっ!!」
「全く・・・さっきからうるさいな・・・。」

 アスランはあからさまな顔をして声のした方を向いた。そこにいたのは金色に光る髪を持った少女であった。

「あ、カガリ来てたの?」

 続いてキラもアスランの腕の中から身体をほんの少し移動させてその人物を見た。そこには朝からどうやら機嫌の悪いであろう人物がいた。

「来てたの?じゃない。何でこいつのベッドで寝てるんだ、キラ。」
「え、あ・・・アスランが一緒に寝てもいいって行ったから・・・。」

 昨日は屋上からアスランの部屋へときて、二人で寝た。力を使ってキラをどうにかするという心配もなかったし、何よりかわいらしいキラと一緒に寝たいと思ったのだ。
 しかしその言葉を聞いて、カガリはさらに機嫌を悪くしたような顔になった。

「貴様っキラに何をしたっ!」

 そのまま、ここが病院だということも忘れてカガリはアスランにつかみかかろうとするが、そうするとキラにまで被害が及びそうであったので、その手は握りこぶしを作るだけになった。

「何って・・・言っていいの?事細かに話してあげるよ。ここは個室しかない病院で便利だよな。」
「〜〜この、変態が!!」
「ちょっ、二人とも!!」

 キラが二人の争いを止めに入ろうとするのだが、アスランにぎゅっと抱き締められて身動きが全く取れなかった。

「全く、キラと初めてゆっくり向かえた朝だっていうのにカガリのせいでムードも何もない
。」

 さらさらの髪にアスランはキスを落とす。そしてそのまま額にもキスをした。するとキラはくすぐったそうにくすくすと笑った。

「そんなもの、知るか!ほら、キラ。朝食が始まるぞ。部屋に帰ろう。」

 カガリが手を差し出すと、キラはゆっくり起き上がった。けれど、その手を取ることをためらった。

「ねぇ、カガリ。・・・ここにいちゃ・・・。」
「駄目に決まってるだろ!!!」
「・・・。」

 自分とは違って強気な姉の言葉にキラはしょんぼりする。けれどキラもなかなか頑固なところがあるので、このままだと埒があかないだろう。
 そう判断したアスランは、キラの頭を軽く撫でた。

「じゃあキラ、検診が終ったら俺が行くよ。」
「ホント?」

 先ほどとは打って変わって表情を明るくし、キラはアスランの方へと振り返った。それを見たカガリはほんの少しだけ怒ったような寂しそうな、そして嬉しそうな顔をしていた。

「あぁ。だから朝食はしっかり食べること。約束。それを守ったら会いに行くよ
。」
「・・・・・・分かった。」

 キラはあまり多くを食べない。もともと小食なのかもしれないのだが、それでも普通の人に比べて半分くらいしか食べないのだ。食べたく無いと言って。
 それでもアスランが説得し、昔よりは食べるようになった。それでも普通の人に比べてまだ少ない量である。キラにとっては食事は”楽しいこと”ではないのだ。
 複雑そうな顔をしながらキラはゆっくりとアスランのベッドから降りた。

「あ、キラ忘れ物。」

 そんなキラの腕をアスランは引いた。

「?」

 そしてキラが振り返った途端、その唇に軽く触れるキスをした。

「貴様っ、この後に及んで!!」
「だって恋人同士ってのはキスが朝の挨拶だろ?なぁ、キラ。」
「・・・うん。」

 キラは恥ずかしそうに嬉しそうにほんのり頬を染めていた。そんなキラを見たカガリははぁっとため息をついた。
 大切な妹が幸せそうにしているのはカガリにとって嬉しいことなのだが、それでもこんな風景を目の前でやられると何だか空しいような気分になってくる。

「キラ〜・・・とにかく帰るぞ。全く入院したって言うから慌てて来てみれば・・・。」
「心配してくれたのか?」

********

 あーだるい。暑い。ちくしょう、暑い部屋大好きさ!!!
そんなわけで休日の昼間から更新です。
また中途半端に・・・。

さて、話を進めてくれるんだかこんがらがせるだけだか分かりませんけど、お姉ちゃん登場です。
アスカガとかありえないから。
もうカガリはキラ一筋だから。
アスキラは永遠だけどさ。永遠(エターナル)で運命(デステニー)。
そんな感じ。

 ストックが切れそうだから続きを考えないとだなぁ。
あんまり登場人物が多いと収集がつかなくなるんですが(普段三、四人のみで小説を書き上げる女。つかアスキラだけでも普通に本は出せそうな・・・)。
次だかその次だかに出てくるのは夫婦ですよ〜〜〜。
夫婦好き〜〜〜〜〜。尻に敷かれてる旦那と奥さん。

あとは・・・残り三人とか健全カップルの二人とか出したいなぁとか思いつつ。


2004年09月25日(土)
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