野生の森
高瀬志穂



 疑問。

 いつもいつも思ってあることがある。あの二人が二人でいることを始めたあの日から思っていたこと。

「あの、お二人に質問があるのですけど」

 ニコルは目の前でバカップル劇場を繰り広げているキラとアスランに声をかけた。いつもいつもことあるごとにベタベタいちゃいちゃしている二人。今日もアスランは隣に座るキラの腰に手を回し、キラはアスランの肩にもたれかかって気持ちよさそうにしていた。いちゃつくなら部屋に戻れ!というイザークの言葉を無視し、今日もまた回りを気にすることなく談話室でいちゃいちゃとしてた。
 もう日常の光景となりつつあるものだったのだが、ニコルは不思議で仕方なかった。
「あの・・・」
「何?ニコル」

 無視されているのと思いきや(いや、無視というより回りなど全く見えてないような状況なのだが)一応は話を聞いてくれそうな雰囲気のキラにニコルはほっとした。

「お二人はもう随分と長い付き合いなんですよね」
「あぁ、キラとは産まれた頃から、いや産まれる前から赤い糸で繋がっていたんだ」

 キラに質問したはずなのにアスランが口を開いてニコルはほんの少しびっくりした。まぁ答えになってない回答だったのだが。

「アスラン・・・またそういうこと言って・・・僕とアスランは月の幼年学校で一緒になったんだよ。僕の母さんはナチュラルで、けど僕はコーディネイターだから分からないことだらけで。だからアスランのお母さんに色々教えてもらっていたんだ」
「というわけで俺達は親公認の仲だというわけだ。分かったか?」
「いや、僕が聞きたいのはそういうことではなくてですね・・・」

 前は普通だったはずなのに、何故か最近はアスランと会話をすると疲れる気がする。早めにこの話を切り上げないとアスランとキラの愛のメモリアル劇場と始まりそうだったのでニコルは口を開いた。

「今二人の間にあるのは恋愛感情ですよね。けど小さい頃からずっと一緒だったわけでノその気持ちが変わったらとか・・・その家族愛とかにはならないのですか?」

 いつからこの二人に恋愛感情があるのか分からない。けどかなり前からだろうし、そして何でずっと相手だけを思い続けることが出来たのだろうか。
 キラはびっくりしたようにニコルを見てそれからアスランを見つめた。

「家族愛って何だかほんわか愛ってこと?」
「そうだな。恋愛は胸がドキドキしたり、とかだろうな」

 二つの違いを聞いてキラはうーんと悩んでいるようだった。
 するとアスランの方が口を開いた。

「今は恋愛感情だろうけどもしかしたらこれが家族愛に変わるかもしれない。それでも俺がキラを愛しているという事実に代わりはないのだから別にいいと思ってる」

 と、アスランはキラをさらに引き寄せて頬にキスをした。

「しばらくはキラと恋愛を続けたいとは思ってるけどね」
「・・・」

 そう、アスランはキラの前では変態で馬鹿にしか見えないけどちゃんと自分の考えを持っていて。ニコルはアスランを尊敬の眼差しで見つめた。

「ちょ、アスランくすぐったいよぅ」

――――ほんの一瞬だけ。

「あ、ありがとうございました。少しだけすっきりしました」

 ニコルは一応頭を下げる。

「では失礼しますっ」

 そして何だかこれ以上のラブラブが始まりそうなこの場所から離れようとした。

「ニコルにも俺にとってのキラみたいな人が出来ればきっと分かると思うぞ」
「・・・はぁ」
 
 さすがにこんなバカップルにはどうやってもなれないだろうが。
 そんなことを思いながらその場を後にした。


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パソの中に放置されていたネタです。
データは1月とかになってたなぁ・・・。うわ・・・。
多分これは載せて無かったと思うんですけど、あれ?載せてたかしら。
なんていうか、ニコルの疑問ってよりあたしの疑問。
どうしてあの二人はあんなにずっと恋愛の好きでいられるのか。まぁ、乙女の夢のアスキラだからか?

久しぶりにキラinザフトだったりします。



2004年06月10日(木)
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