世を忍ぶ仮の日記
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ぼんやり化粧をしていて、昨日の声楽のレッスンの事をムラムラと思い出し、 「なんでいきなりカルメンなんだ、先生のバカー!」 と叫んだら、部屋の向こうからエッヒョー(ドイツ語でエコーの意味)が起こって「先生のバカー!」と返ってきた。 ピロだ。 月曜の振り替え授業で早速のテスト。その為に成人式の前に一度上京して、もう一度帰省するという面倒くさい、かつ交通費のかかるスケジュールになったのも、ひとえにブルドック(渾名)の所為だ、とピロは嘆く。 ベンゼン系の実験の考察でスペクトルがどうたらとか、見てもサッパリ分からないテストでさあ。手伝いようが御座いやせん。 出かける時間が偶然同じになったので、電車の中でレポートを覗き見る。 「バファリンにカフェインは入っているかの実験って、入ってるに決まってるじゃん」 「そうなんじゃけど(帰省後、方言が丸出しになった)、実験したらカフェイン出てこんかったけ、無理矢理あるようにこじつけて書いたん」 「レポートを書くのはこじつけるようになる訓練? ……ていうか『エメラルドグリーンに見えると考えた』てどういう日本語だよこれ。そりゃそのうち再提出も食らうわ、ダメ日本語」 「だ……エメラルドグリーン…」 日本語の指摘をされると小学生並に反論出来ず、最終的に逆ギレする事が今までの経験から考察された。 「学校嫌い…」 「今日は髪の毛がどうしようもないね」 「……うわっ、ほんまじゃ、どうしよう! マジ学校行けん! 学校行きたくない! 帰るぅ!」 「お前ホンマ小学生か」 「ええツッコミじゃねえ、小学生でケッコーコケコッコー」 本人も以前から自分の精神年齢を一ケタで言えると発言したこともあるように、以上のことから、ピロの精神年齢は小学生低学年並と考える。 小学生にベンゼンは無理だが。
「最近金縛りにあうん。しかもいっつも首絞められるけえ、お祓い行こうかー思うて」 「やめとけ。お祓いなんか行ったら逆に憑かれるぞ」 「なんでぇ?」 説明が面倒くさくなった。 だって脳科学で説明しても納得しないんだよ、畜生エセ理系。 「じゃ、なんで首絞められるん?」 お前がそう思い込んどるからじゃー! と叫ぼうとして枕元から安部公房の本が出てきた。 「……安部公房? 何故よりにもよって安部公房?」 後で本棚を見たら太宰の横に安部公房があったので、安易に手に取ったようだ。 「あんたに安部公房は無理だろう」 「うん。だって全然興味ない。どーでもええもんホンマ」 わかりやすー。 「恋愛小説が読みたいけ、今度友達に『恋愛中毒』とかいうの? 借りてくるんじゃー」 「あんたは惚れたはれたに興味があるわけね」 「うん? うーん。うんまあ」 普段興味を持つ対象がお洋服とかお洋服とかアクセサリーとか、自分にだけに興味の対象が向けられている為、いきなり直面させられると興味の対象は何か分からないらしい、特に読書傾向なんて。 そんなヤツが私の本棚に勝手に触るっていうのもアレな。 しかも姉の本棚には恋愛小説が一つも無いって勘違いされてるし。 一作家一ジャンル、とか懇々説教するもの面倒くさいよ馬の耳に念仏。 ムキー。 「あたしゃ惚れたはれたより憑いた憑かれたに興味があるのさアハーン」 惚れたも憑いたも似たような現象じゃねえか。
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