ヤグネットの毎日
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| 2002年07月10日(水) |
学びのビジョンが鮮明な仙台市の教育 |
7月9日から11日まで、文教常任委員会の管外行政視察に参加してきた。 初日の9日は仙台市を視察。 調査項目は、1)完全学校週五日制への対応、2)学校支援ボランティア推進事業、3)クリーン、グリーン仙台9万人のトライについて、の3項目である。 総論的なことになるが、仙台市は学校現場出身の教育長のもと、ユニークな事業を意欲的に展開している、との印象を受けた。その最大のものが「仙台まなびの杜21」〜仙台市の教育ビジョン〜である。 これは、新世紀を生きる力、自ら学び考える力、夢にチャレンジする精神、市民として社会に主体的にかかわり、共に生きる知恵をどう培うのか、こうした学びの仕組みを、仙台市でいかにつくりあげるのかを、体系的に明らかにした基本方針である。まちづくりには、「みんなで力あわせ、こういう方向ですすめよう」との「旗印」が大切だ、と常々考えてきた僕にとって、とても刺激的で参考になるものであった。 以下、調査項目ごとにポイントを紹介する。
1)完全学校週五日制への対応について
完全学校週五日制とは、子どもたちに「ゆとり」を確する中で、学校、家庭、地域社会が相互に連携しつつ、子どもたちに生活体験、社会体験や自然体験など様々な活動を経験させ、自ら学び考える力や豊かな人間性などの「生きる力」をはぐくむことをねらいにしたものである。 仙台市では、これらの「生きる力」を育むために、 1)主に子どもを対象とする事業ーー「主役になる」 2)主に親子とを対象とする事業ーー「主役にも脇役にもなる」 3)子どもも対象となる事業ーー「みんなの中のひとりとなる」 との3つのコンセプトを設定し、特に週末を中心に市民センターや博物館・科学館等で様々な体験や学習ができる取り組みをすすめている。
とくにユニークな取り組みとして僕が注目したのが、「どこでもパスポート」事業である。これは、小・中学生を対象として、原則として学校が休みの日に社会教育施設等が無料で利用できるというもので、仙台市以外でも多賀城市など14市町村と連携して21施設を対象にしている。 この事業の効果だが、平成13年度と14年度で5月のゴールデンウィークを比較すると、13年度の利用人数が約2500人なのに対し、14年度では5000人で2倍に伸びている。「子どもの居場所づくり」、という点で非常に効果があるもので大いに参考になった。
2)学校支援ボランティア支援事業について
僕の理解では、学校支援ボランティア事業とは、「学校という枠組みをこえて、地域などが積極的に子どもたちを育てる活動に参加する」とのイメージが強かった。毎朝校門にたって、「おはよう」と声をかけてあげることなども立派な学校支援ボランティア活動の一つだろう。仙台市の場合は、「学びのための情報資源をいかに広く提供するか」にウエイトをおいた取り組みをすすめている。 その第1は、冊子「学びのための情報資源ーー企業編・市役所編・大学編ーー」の作成と配布である。 これは、ボランティアとして、学校の児童生徒へ以下のような内容を支援実施して、冊子をまとめ全市立学校へ配布している。 a)児童生徒の電話による問い合わせ/b)職場への見学と体験/c)学校への講師派遣/d)インターンシップなど。 もちろん、これらa)〜d)までを全部網羅している組織ばかりではないが、大きな成果をおさめており、平成13年度の上半期だけで、800件近くの活用がされている、ということだ。 また、とりわけ商工業種に限った同様の事業として、学校支援事業「楽学プロジェクト」も今年度からスタートしている。 このほか、他市にはない取り組みに、「仙台市嘱託社会教育主事設置要綱」がある。青少年の地域活動や社会参加についての指導や援助にあたる、というのが主な内容だが、その多くが教職員が兼任する形をとっている。兼任する形態がよいのかどうかは、評価がわかれるところが、僕自身は、社会教育を生涯学習に包摂させることなく位置付けていることに、大きな意義があると評価したい。
3)クリーン、グリーン仙台9万人のトライについて 仙台市は、政令指定都市で初めてISO14001を取得するなど、環境政策に力をいれている。ISO14001とは、地球環境の負担を軽くする(地球にやさしい)ために活動に積極的に取り組んでいることを証明する、国際的な規格、認証のことだ。これを取得することで、環境問題に積極的に取り組んでいることがわかる、世界の信頼の象徴のようなものだ。 仙台市は、ISOの取り組みを学校に応用したものとして、「杜の都エコ・スクール」という事業を推進している。「クリーン、グリーン仙台9万人のトライ」とは、その中での重要な活動の一つ。具体的には、平成9年度から、仙台市立の児童生徒が、夏季休業中に家庭等において環境に係わる自然体験、社会体験、ボランティア体験を実践する、というもので、こららによって、児童生徒が環境問題に対して自分で課題をみつけて行動する資質や能力を身につけることを目的としている。 13年度の実績をみると、小中学校あわせてや72793人が取り組んでおり、初期の目的を達成しているといえる。
視察が始まる前は、パラパラだった雨も宿舎に戻るころには、本降りに。台風6号が南からおいかけてくる格好だ。翌日は、秋田県大館市。交通機関は大丈夫だろうか?
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