ヤグネットの毎日
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| 2002年07月09日(火) |
「わらべうたが子どもを救う」を読む |
先週、議会運営委員会で視察にいったとき、もう1冊読み終えた本があった。 『わらべうたが子どもを救う』(健康ジャーナル社)だ。脳生理学の第一人者で京大名誉教授の大島清さんと町田コダーイ合唱団指揮者の大熊進子さん、神戸大学教授の岩井正浩さんの共著である。
最近、日本語がブームになっている。あるいは国語ブームといってもよいかもしれない。 本書は、「人間を人間たらしめている理想でも理性でもない。情緒だ」との偉大な数学者岡潔さんの言葉を紹介しつつ、こうした感動を伝えるためには、コトバが必要であり、コトバを理解し、はなすためには左脳だけではなく、情緒をつかさどる右脳の働きが大切である、と強調する。 そして、母国語としてのわらべうたを、最初は歌詞の意味など理解できずとも、口ずさむうち、全身や五感を使って、自然と理解ができ、脳全体が活性化していく、とする。 グローバル化、デジタル化が人間の脳から愛を奪っていく(大島清)現代だからこそ、小さいころから、コトバ磨きによって、自然の美しさに感動する心、喜怒哀楽を相互に伝えあう、コミュニケーションをつちかうことが大切だ、というわけだ。 本書で、「コトバ磨き=わらべうた」の具体的はなしが展開されていくのは、後半からである。 全国のわらべうた約8000曲のうち、「レド」だけでできているのが、約1割。その多くが、「レ」で終わっていること。それは、子どもののどが大人のように強靱ではないために、狭い音域でも歌えるように、工夫されてきたものであること。さらに、わらべうたの役割とは、耳、動きの育ち、そしてイントネーション、文化、その他の様々なことを遊んでいるうちに、しっかりと体得することができること。 僕が興味をもったのは、わらべ歌は、けっして教えてはならない、ということだ。 教えるのではなく、「伝える」ことが大切だ、という。町田コダーイ合唱団指揮者の大熊進子は、いう。
見る、ひたすら見る、観察する、やってみる、できない、工夫する、見る、やってみる、でもできない、かんしゃくをおこして泣く、泣いても助けてもらえない、がまんする、また、見る、工夫する……という試行錯誤が前頭葉を育て、また、小さい時代の器に入り切る喜怒哀楽を体験することによって、感性も磨かれていくのです。 神戸大学教授の岩井正浩さんは、全国のわらべ歌や民謡の実態を、地域をフィールドワークによってつかんで実証的につみあげて研究をすすめておられる。他国とは違い、わが国の子守唄が、「子守り奉公人」が歌っていたものであることや、1970年代から、80、90、2001年という通時的な調査の結果、子どもの遊びとともに、わらべ歌などが極端に歌われなくなってきていることなどの指摘は、とても興味深かった。
9日から11日まで、文教常任委員会の行政視察。仙台市と秋田県大館市へいってくる。学校支援ボランティアや図書館ボランティアなど興味のあるテーマが盛り沢山。しっかりと勉強して、この日記でも報告したい。
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