ヤグネットの毎日
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| 2002年06月02日(日) |
体が震えるほどの怒りをもって |
人間にとって大切なこと、それは他者への共感能力である。これは、最近つねに僕が考えていること。行政はもちろん、歴史や法律、政治に携わるものは、自分をとりまく「人間」に対してどう共感し、そこから、未来へ歩むべき道を見い出すのか。社会科学は、このことを問い続ける営み、といえるかもしれない。最近、行政の文化化というテーマに関心をもつのも、文化にとって不可欠な美しいものに感動する「感性」=共感能力が求められる時代になったのではないか、という思いからだ。
福田官房長官の「非核3原則」見直し発言と小泉首相の「あれは、どうってことはない」と言い放った冷たい態度。一瞬、耳を疑った。しかし、歴史に対する謙虚な反省もなく、医療改悪など国民への「痛み」は当然といって憚らない彼等にとっては、まさに「どうってことはない」事柄なのだ。
もっともたちが悪いのは、自分の意見をもっているような振りをして、実際の行動は権力者に右顧左眄する態度である。 有事法制にせよ、「非核3原則」見直し発言にせよ、彼等のこころのうちを支配しているのは、ブッシュ政権の意向にどう沿うか、ということだけだ。
高校の修学旅行でナガサキに行ったことをあらためて思い出す。そこで出会った3枚の写真が僕の人生を方向づけた。1枚は全身赤くやけただれた少女の写真。二枚目は若いお母さんが赤ちゃんにおっぱいをのませている写真。被爆直後で母親は呆然としており、赤ちゃんはおっぱいを吸う力も弱々しい。そして3枚目は、お兄さんが弟を背負って焼け野原を途方に暮れて歩く写真。ーーー僕に衝撃が走った。もし、この全身やけどの少女が自分の姉だったら、この若いお母さんが自分の母親で弟を背負っている兄が自分の兄貴たちだったら…。 絶対に許せないと思った。当時、父親の借金問題などで家族がバラバラになりそうで、そのことに悩んでいた僕だったが、家族の絆をバラバラにするもうひとつの社会的な力ーーそれが戦争ではないのか、と考えた。そして、この当時、いのちがけで戦争に反対した政党があったことを知ったのである。
小泉首相をはじめ、閣僚たちに一番欠けているものは、想像力と共感能力である。それは、普遍的な真理への真摯な態度(たとえば憲法九条)と自分の頭で考え行動する、自立的態度によってこそ、培われ研ぎすまされる。
こんな内閣のもとで、有事法制などとんでもない。廃案はもちろん、小泉内閣には即刻退陣してもらいたい。体が震える程の怒りをもって、そのために力をつくす。
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