ヤグネットの毎日
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2002年05月08日(水) 憲法九条もつ国が海外での武力行使の準備の議論

 昨日から、有事法制3法案の審議が衆院の特別委員会で始まった。家で仕事をしていたので、思わずテレビ中継に見入ってしまった。
 自民党はもちろん、民主党や自由党は「有事法制」必要論から質問をしていた。民主党の中には旧社会党系を中心に根強い反対論があり、今回政府が提案した法案には、慎重な対応をせざるを得ないようだ。
 それにしても、「今国会会期中に成立を」と意気込んで提出した政府が、まともに答弁できない姿にはあきれた。中谷防衛庁長官は、官僚が脇につきっきり。あたかもベンチで監督の指示を受けてバッターボックスにたつ野球選手のようだ。「海外で戦闘を行う米軍を支援中に、戦闘に巻き込まれるおそれがあると判断した場合、自衛隊は活動を中止するのか?」と志位委員長が鋭く突っ込んだ質問にはシドロモドロになり、なんと委員会席からの「離脱するんだよ」のヤジに促されて、ようやく答弁する有り様。
 志位委員長の質問で明らかになったことは、この「有事法制」がアメリカの介入戦争に日本が参戦できるようなしくみづくりであり、そのために国民の自由と人権をしばる戦時体制をつくることを最大の目的としていることだ。しかも、アメリカのラムズフェルド国防長官が「ときには先制攻撃も必要になる」と雑誌に掲載した論文で述べていることに対して、小泉首相は「理解している」と答弁した。
 これは、「侵略にどう対抗するか」という論理ではなく、憲法九条をもち交戦権を永久に放棄したはずの日本が、テロや地域紛争を口実に行うアメリカの介入的な先制攻撃に参加する可能性が十分あることを示唆したもので、きわめて重大な発言である。「備えあれば憂いなし」の諺を小泉首相が使う真の意味は、国民に対して備えを説くのではなくて、目下の同盟者としてアメリカに深々と頭を下げ「備えは出来ています。ご心配なく」という卑屈な態度そのものなのだ。

 8日は、息子の4歳の誕生日。夜、ささやかなお祝をしてあげようと思う。共同通信のインタビューで、一橋大学の渡辺治教授が「日本が参加しようとしている戦争は、グローバル秩序に歯向かう国をつぶす戦争だ。強い国が弱い国をつぶす。戦前のように国民を総動員する必要すらない。米国のようにテレビで戦争を見ながら、豊かな社会を守るために受け入れていく。むしろそれが怖い」と答えていた。
 わが息子には、テレビの前で何の疑問も持たずに、目の前を戦争を受け入れるような人間には育ってほしくない。感性を磨き、理性と考える力、他者と共感できる心をいっしょに育んでいきたいと思う。

 「戦後、日本の平和運動が盛り上がったのは悲惨な戦争体験に基づいている。『殴る側』の大国で、大衆的な平和運動が盛り上がるのは難しい。国民が憲法九条の平和主義を堅持できるか。世界から真価が問われるのはこれからだと思う」これも渡辺治さんの言葉。かみしめたい一言だ。


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