ヤグネットの毎日
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2002年04月15日(月) 音楽療法の実践を見学

 僕の大学時代からの友人のたぬぽんさんの紹介で、奈良で音楽療法を生かした親子サークルを開いている方の実践を見学させていただくため、14日は朝から奈良へ足を運んだ。
 たぬぽんさんは、僕の学生時代を語るさいに、なくてはならない人。 
 彼の結婚式にも出席させてもらって、その後、ネットでの交流を深めているが、ゆっくり話をするのは久しぶり。朝9時30分にたぬぽんさんと近鉄高の原駅で待ち合わせをしていたのだが、いま読んでいる「日本崩壊」という本のおもしろさに気をとられ、不覚にも乗り過ごし。あわてて引き返し、たぬぽんさんとの感動的な再会が「ごめんなさい」とのお詫びから入ることになってしまった。

 先生とは初対面。たぬぽんさんは、音楽担当でオーディオデッキを操作し、僕はビデオを回す役をまかされ、緊張した面持ちで会はスタートした。
 
 大きなバルーンを会場いっぱいに広げてリズムにあわせて上下させたりウェーブさせたり。
 鈴を使って両腕を回したり、みんなで電車を作ったり、ブリッジをつくったり。
 森のなかの水車が回る音に耳をすまして、気分を落ち着かせたり。
 大小さまざまにふくらむシャボン玉をしずかに目でおいかけたり、
 ボールを床にゆっくり転がして先生とキャッチボールをしたり。

 撮影していると、一緒にリズムをとったりすることはできない。その分、ビデオのモニターを見つめているといろんなことがみえてきた。
 
 最初は、やや落ち着きがなかった子どもたちも会が終わるころには、ゆったりとした雰囲気に。
 ずーっと窓辺にたって、外の風景を眺めていた男の子。
 「こんなことやってられないよ!」という態度をからだ一杯に表現していたのに、途中からは鈴を使ってリズムをとったり、先生とのボールのやりとりでは上手にきめていた。

 なかなか集中できない子どもに、少しやきもきしていた、あるお母さん。悲しそうな表情もみえていたのが、最後のシャボン玉を子どもと一緒に追いかける目に笑みがもどっていた。よかった。
 
 何よりも、参加した僕自身が癒され、やさしい気持ちになれた。

 会が終了後、先生とたぬぽんさんと3人で食事をしながら、いろいろ話を聞かせていただいた。
 M先生が実践されている音楽療法は、おもに知的障害をもつ子どもが情緒の安定や身体機能などの発達促進をめざすのがねらいだが、いっしょに参加する保護者が子どもとより良好な関係をつくることや保護者自身のリラクゼーションにも効果を発揮している、ということだ。音楽療法でセラピストはお父さん、お母さんであり自分はコーディネーターである、というお話には大いにうなずいた。
 「ボランティア同然のこういう実践に自らを駆り立てる原動力はなんですか?」という僕の問いに、「養護学校の教師をしており、仕事の延長線上にあるもの」とサラリと答えたM先生。その使命感とプロ意識に感服した。
 
この音楽療法は、「感動の伝えあい、感性の自己表現」を通じて、自己肯定、他者との共感をつちかっていくすばらしい手段だ、そんなことを感じた見学であった。もっと、関わってみたい、もっと勉強をしてみたい、という思いに駆られた。

 食事を終えてからは、たぬぽんさんの案内で若草山にのぼった。
 桜はもうピークを超えてしまっていたが、新緑と若草色の絨毯のようなゆるやかな丘、奈良市内を一望できる高台、そして鹿さんたち。どれもが輝いて、さわやかな気分だった。
 たぬぽんさんとは、仕事のことや子育てのことなど、つもる話を語り合った。
 話をしながら、僕らの頭上を飛ぶ鳥をみつけた。この前、読み終えた「リトルターン」を思い出した。社会と人間の姿を深くみつめ、未来をみすえているたぬぽんさんの姿は頼もしかった。たぬぽんさんの生き方は、きっと僕たち30代に共感をもって受け止められると思う。
 若草山のあの自然の息吹きを体一杯に感じたように、お互いに自然体でゆったりと生きていこう!
 そんなやさしく、癒された気持ちにさせてもらった。

 今度は、家族で若草山にのぼろう。
 妻との初デートの場所でもあるし、思い出は深い場所なのだ、実は。


 


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