集中講義終了、教場レポートのには驚いた。 まるまる120分書き尽くめでようやく間に合ったぐらい。 (課題は5問中3問までは先に公開されていたが、それでもやっとだ) 途中から手が震えるは、字は揺れるはでとても見せられる答案ではないが、 出さないわけにもいかないので、出し逃げごめんで提出した。
さて、今週はずっと一葉の作品を講義内でも個人的にも 読み続けてきたのであるが、やはり一番の名作は『たけくらべ』であろう。 ちなみに『たけくらべ』は『竹くらべ』ではなく、『丈比べ』であって、 これは身長を比べるという意味と想いの丈を比べるという意味を併せ持つ。 その時点で、題名からして群を抜いているような気さえしてくる。
『たけくらべ』に登場する子供達は皆家業を継ぎ、 吉原遊廓に寄生しながら生きていくことを宿命付られている。 そして、主人公美登利もまた花魁になることが定められている少女である。 かつては絢爛豪華な世界に憧れだけを抱いていた幼い美登利であったが、 初めて髷を結ってお披露目を済ませた時、急に不安が生じる。 また、折しも彼女は初潮を迎えることで大人の世界へぐんと近付く。 現在を生きる私達でも、新たな世界へ踏み込むことは恐ろしい。 たとえば私だって、社会に出ずにずっと学生でいられたらと思う。 まして、美登利はまだ15歳、成熟を拒否したくなるのは当然であろう。 しかし、彼女は目の前に用意された世界から逃げる術を持たないのである。
『たけくらべ』を読み終えた時の何とも言えない余韻は、 やはり現代の口語体小説にはなかなか出せない味がある。 しかし、その根底に流れる通念は現在の私達にも十二分に通用する。 文語文体の壁を越え、読み継がれるべき名作であることは きっと誰しもが認めるところなのであろうと心から思う。
確かに、集中講義はやはり疲れるものでもあるが、 さすが一葉研究のトップ、聞き応えのある講義内容に満足した。 嗚呼、でもまだ手が痛いや・・・
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